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1回当たり20万~60万円の受給が可能「介護離職防止支援助成金」を活用しよう

17.02.10 |

「親の介護で退職を余儀なくされる」という「介護離職」が、社会的に問題になっています。

会社にとって貴重な戦力となっている社員が介護を理由に退職することは、大きな損失です。

そこで制定されたのが「介護離職防止支援助成金」。従来の「介護支援取組助成金」を廃止して、平成28年10月19日から移行しました。

■従来の「介護支援取組助成金」との違いは? 

「介護離職防止支援助成金」と「介護支援取組助成金」はどこが違うのでしょう。


従来の「介護支援取組助成金」は、「従業員の仕事と介護の両立について取組を実施した」事業主に支給される助成金でした。
一方、「介護離職防止支援助成金」は「実際に介護に直面した従業員が発生したときに、会社が支援を実施し、その従業員が介護休業を取得して復帰した、あるいは時差出勤などの介護制度を利用した」という「対象者の発生」と「制度利用実績」まで求められるようになったのです。 


「介護離職防止支援助成金」は「介護支援取組助成金」と比べて受給のハードルが高くなりました。
しかし、今後は仕事と介護の両立を必要とする労働者が増えることから、どの会社でも検討の価値がある助成金と言えるでしょう。 

■受給までの流れ 

では、「介護離職防止支援助成金」を受給するには、どのような取組を行わなければならないのでしょう? 

1.仕事と介護の両立のための職場環境整備 
厚生労働省が指摘する様式を使用して、以下の(1)~(4)のすべての取組を行うことが必要です。 

(1)従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握(社内アンケートの実施) 
(2)制度設計・見直し(介護休業関係に係る就業規則の整備) 
(3)介護に直面する前の従業員の支援(人事労務担当者等による研修の実施及び介護休業関係制度の周知) 
(4)介護に直面した従業員への支援(相談窓口の設置及び周知) 

2.介護支援プランによる介護休業の取得等の支援について明文化・周知 
就業規則や内部通知、介護休業等利用マニュアルなどに、介護支援プランによる介護休業の取得等の支援について明文化し、労働者に周知しましょう。 

3.対象労働者の介護支援プランの作成 
介護に直面した従業員と面談を実施し、介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認し、事業主が介護支援プランを作成します。 

4.介護支援プランに沿った制度利用の支援 
介護支援プランに基づき、制度利用を支援します。 
(介護休業)業務の整理・引き継ぎ、介護休業の取得・原職等復帰 
(介護制度)業務体制の検討、介護制度の利用 

■1事業主で最大4回の受給申請が可能 

「介護離職防止支援助成金」ではいくら受給できるのでしょう。
これは対象者が「介護休業を希望する」ケースと、「介護制度の利用による働き方の変更を希望する」ケースとで異なります。 

介護休業取得:中小企業60万円、大企業40万円 
介護制度利用:中小企業30万円、大企業20万円 

上記は受給申請1回当たりの金額です。 
それぞれ1事業主2回(無期雇用者、期間雇用者各1回)まで支給されます。よって、1事業主で最大4回の受給申請が可能です。 
中小企業ならば、最大(60万+30万)×2=180万円まで受給できます。 

例えば、介護のために1ヵ月休業した社員が1人いると、スポット的に派遣社員やパートタイマーなどを活用して労働力を補強することになります。 
また、休業した社員の業務を一部でも引き継ぐ社員は、一時的に残業が増えるケースもあるでしょう。これらの人件費の一部を、助成金でまかなえるのです。 


■平成29年1月1日施行の改正育児・介護休業法に沿った規定を整備 

介護休業関係制度の整備においては、平成29年1月1日に施行された、改正育児・介護休業法に沿った規定を整備することが必要です。 

親の介護に直面する40~50歳代の従業員は、会社の中核を担っています。貴重な人材を介護で失わないためにも、「介護離職防止支援助成金」を活用しながら、介護離職を防ぐ取組に着手しましょう。詳細は専門家にご相談の上、進めてみてはいかがでしょうか。 


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