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人事制度が変わる!? 「改正育児・介護休業法」の改正内容は?

17.10.13 |

バブル経済が崩壊した1990年代初め、共働き世帯が専業主婦世帯を上回りました。
これに伴い、保育所を必要とする親が増え、待機児童問題が顕在化したのです。 

それから20年以上が経った現在、少子化が進んでいるにもかかわらず、保育所のニーズはさらに高まっています。
国は、平成25年4月に「待機児童解消加速化プラン」を策定し、保育の受け皿拡大に努めています。 

今回の法改正では、育児休業期間が延長され、意に沿わない退職を防ぐ手段が増えました。

保育所に入園できない場合など、2歳まで育児休業が取得可能に 

現在の育児休業期間は、原則として子が1歳になるまでであり、保育園に入園できないなどの場合には、1歳6ヶ月まで延長できます。 

今年10月1日から施行される「改正育児・介護休業法」では、以下の要件を満たすことで子が最長2歳になるまで再延長することが可能となります。 

・1歳6ヶ月に達する時点で労働者本人または配偶者が育児休業をしている 
・保育園に入園できないなど、1歳6ヶ月を超えても休業が特に必要と認められる場合に、労働者から申し出る 

例えば、年度途中で1歳6ヶ月になった子が保育園に入園できない場合、比較的入園しやすい4月まで育休を取得できるようになります。
やむを得ず退職しなければならない事態を防げるのです。 

2歳までの育児休業は、1歳6ヶ月になった翌日から開始されるため、育児休業の申し出は遅くともそれまでに行わなければいけません。 

なお、改正に伴い、育児休業給付金の給付期間も、延長した場合には2歳まで受けられます。 


必要とされる事業主の努力義務 

改正により、事業主にも努力義務が課されます。 

まず、労働者やその配偶者が妊娠・出産したことを知った場合、事業主は労働者に対し、個別に育児休業などに関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件など)を知らせるようにしましょう。 

これは、労働者のプライバシーを保護する観点から個別の対応を求めるものですので、労働者が自発的に妊娠や出産を知らせやすい職場環境や雰囲気づくりが前提として重要になります。 

また、未就学児がいる労働者が子育てしやすいように、育児目的で利用できる休暇制度を設けましょう。たとえば、「配偶者出産休暇」や育児に利用できる「多目的休暇」などが考えられます。 

全員が気持ちよく、長く働ける社会を実現するために、きちんとルールを学び、それを実践する意識と努力が事業主に求められているのです。



企業成長のための人的資源熟考

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