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診療報酬改定! 2018年4月から何が変わる?

18.03.09 |

2018年2月7日、厚生労働省は医療機関に支払う“診療報酬”について、4月からの改定内容を決定しました。 

医科・歯科ともに“地域のかかりつけ医の推進が狙いとなっており、歯科についても“医科との連携”や“かかりつけ歯科医の機能強化”が手厚く評価されています。 

今回は、全容が明らかになった“2018年度の診療報酬改定”について見ていきましょう。

医科との連携が強化! 

歯科と医科の連携については、医科点数表でも働きかけを強めています。 

その一つが『診療情報提供料(I)』(患者紹介時の文書による情報提供を評価した点数)の歯科医療機関連携加算の対象拡大です。 
同点数は、在宅療養支援診療所などの医師が、訪問診療中の栄養障害患者について歯科訪問診療の必要性を認め、在宅療養支援歯科診療所に対して情報提供を行った際に算定できます。 

今回の改定では、新たな対象患者として摂食機能障害を有する患者(疑いも含む)を加え、さらに情報提供先として在宅療養支援歯科診療所だけではなく、在宅歯科医療を行う保険医療機関すべてが対象となりました。 
そのため、在宅医療に取り組んでいる歯科医院は、周辺の診療所からの訪問歯科診療要請が増えていくでしょう。 

また、在宅に限らず歯科と医科の情報共有を評価する点数(診療情報連携共有料:120点)も新設されました。 
これは、歯科治療を行う上で、検査値や処方内容などの診療情報を確認する必要がある“慢性疾患などを有する患者”を対象としています。 
歯科医院が病院や診療所に検査値などの情報提供を求め、病院や診療所が文書で提供した場合に、同点数を歯科と医科の双方の医療機関で算定します。 

留意事項としては、日ごろから医療機関と連携を図り、連携窓口の設置など、必要に応じて問い合わせに対応できる体制を整えることが求められています。 


周術期口腔機能管理の推進も! 

さらに、周術期口腔機能管理の関連点数についても、対象患者の拡大や明確化などの見直しが行われました。 

具体的には、『術前の管理計画作成が困難である脳血管疾患等の手術をした患者のうち、術後の誤嚥性肺炎のリスクが高い患者や低栄養状態等の患者』に対して『術後早期に口腔機能管理を開始した場合』としています。 

また、周術期口腔機能管理を実施する患者のなかには、放射線治療や化学療法など手術を実施しない患者も含まれます。 
そのため、周術期口腔機能管理料から周術期等口腔機能管理料へ名称が変更されました。 


かかりつけ歯科医機能が評価される? 

地域連携や継続的な口腔機能管理を推進する狙いから、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準の見直しも行われています。
改定内容は以下の通りです。 

(1)う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理実績や地域連携に関する会議などへの参加実績の要件追加 
(2)かかりつけ歯科医として必要な知識や技術の習得を目指し、要件としている研修内容の見直し 
(3)歯科訪問診療の実績については、在宅療養支援歯科診療所との連携実績を選択可能な要件の1つして追加 

かかりつけ歯科医は、地域包括ケアシステムの構築において不可欠な存在です。 
医科や在宅サービスなどと連携を図りながら、患者にあった歯科治療を提供していきましょう。 



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