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自由診療の利用者を増やすにはIT活用がポイント

18.07.06 |

歯科診療所にとって収益を確保する上で重要な柱となる自由診療。近年では、歯並びを整える矯正治療や、歯や歯茎のホワイトニング、歯の汚れの除去などを行うクリーニングなどの美容診療予防診療で利用者の増加を狙う診療所が増えています。
しかし、自由診療は保険がきかないこともあり、利用者が二の足を踏むことも多くあることでしょう。

そこで今回は、自由診療利用促進のためのIT活用事例をご紹介していきます。

自由診療で“治療”の枠を超えたサービスに乗り出す

近年の診療報酬改定では、口腔機能管理に対する点数配分が目立つようになっています。しかし、もともと健診、予防は保険給付の適用外というのが原則です。保険診療での口腔機能管理への報酬は、歯周病管理を名目とした『歯周病安定期治療(SPT)』に代表されるように、あくまで治療の一環と位置付けられ、できることが限られています。

これに対し、自由診療にはそうした枠組みはありません。
「保険診療の範囲内ではきちんとした予防はできない」との声もあり、多様化するニーズに応えるべく、保険診療の枠内にとどまらないケアが増えています。それに伴って、予防を意識し、通院を促すための周辺サービスも充実しました。


IT活用により、意識喚起と来院を促す

自由診療は、保険診療よりも金銭的負担が多いため、受診してもらうには利用者の意識喚起が必要です。
そのため、利用者自身の口腔機能管理への意識喚起を後押しするサービスが注目されています。富士通の歯科医院向けクラウドサービス『歯の健康ファイル』もその一例です。レントゲン写真や口腔内写真、う蝕や歯周病の検査、歯科衛生士のコメントなどの歯科医療情報を同社のデータセンターにアップロードして集約化、利用者と共有できるようにしています。
利用者はパソコンスマートフォンからいつでも自分の『歯の健康ファイル』にアクセスでき、かつ口腔内の状態を歯科医院と共有できるため、口腔ケアに対する意識を高められるというわけです。現在、約50の歯科診療所がサービスを導入しています。

また、定期的に通い続けてもらうために、より簡単に予約でき、予約日を忘れないためのサービスも注目を浴びています。

「予防専門」を謳う、ある歯科診療所は、WEB予約が可能なシステムを導入しました。
利用者層の中心が経営者やビジネスパーソン、士業など、忙しい人たちであることから、仕事の合間に受診しやすいよう配慮したためと言います。
また、メンテナンスの当該月が近づくとそれを知らせるメールを送るサービスも行っています。

上記のようなIT活用により自由診療への垣根をなくしていくことで、さらなる利用者増につながる可能性も高まることでしょう。



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