総合事業への移行は高齢者活用がポイント!

2017年4月から「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」が全市区町村で実施されています。 

すでに先行して実施している自治体もありますが、この「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」とは、2015年4月に施行された新しいサービスです。 

厚生労働省は「市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等が主体的に参画し、多様なサービスを充実することで、地域で支え合う体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの」としています。 

「総合事業」の目的は、民間やボランティア等を活用し、介護費用の抑制を図ることです。市町村が中心となった「地域包括ケアシステム」を構築することで、地域の実情に応じたサービスが可能になることが背景にあります。 
  

公開日:2017/04/07

■NPO法人やボランティア、地域の老人クラブや自治会に期待集まる 
現在7段階ある介護認定のうち、最も軽い「要支援1」および「要支援2」の高齢者への訪問介護、通所介護が「総合事業」に移行され、市町村が実施します。これまで一律で提供されてきた介護サービスの内容が地域によって変わることになります。その中核として期待されているのが、NPO法人やボランティア、地域の老人クラブや自治会であり、高齢者の介護予防促進を担うことになるのです。 

また、国の介護政策としては「施設」から「在宅」へ移行を進めており、在宅介護が一般化していきます。それに伴い、地域での認知症サポーターや地域生活支援コーディネーターなどの仕組みが導入されています。 


■介護事業者は要支援事業から手を引くか、総合事業として継続するかを選択 
このように民間、ボランティアが介護サービスに参入することになるため、既存の介護事業者は要支援事業から手を引くか、総合事業として継続するかを選択しなければなりません。 

サービスの内容についても、地域の実情に応じて市町村が独自にサービスを類型化することになります。そのため、独自のサービスに合わせた基準や単価が定められ、地域格差が生じる可能性があります。 

価格が抑制されると、サービスの質を落とすか、人件費を抑えるかという方向に進む可能性があります。すると、正職員の介護事業者がサービスを提供すると、採算が合わなくなると考えられます。 


■元気で働ける高齢者を雇用してサービスの質を維持 
ここでポイントとなるのが、高齢者の活用です。現在、雇用されている方は「高齢者雇用安定法」により、65歳までの雇用義務が企業に課せられています。しかし、66歳以降の雇用が確立されていません。 

まだまだ元気で働ける高齢者をシニアスタッフとして雇用し、要支援のサポーターとなるべく教育、活用できれば、サービスの質を落とさずに提供することができます。 

在職中の労働者についても、定年を66歳以上に引き上げたり、定年制を廃止すれば「65歳超雇用推進助成金」という助成金の支援を受けられる可能性もあります。 

介護業界は人材不足や低報酬に悩まされています。「総合事業」への移行にあたって、いかに高齢者人材を活用するかが、介護事業者として生き残るポイントになるのではないでしょうか。 


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