【ご質問】裁量労働制における夜10時以降の勤務について、深夜手当を定額支給にできる?

当社は専門業務型の裁量労働制で、社員の業務が午後10時以降に及んだと認められるケースでは定額の手当を支給しています。裁量労働制を採用していても深夜労働に対する割増賃金が必要なようですが、このやり方で問題ありませんか?
【兵庫・U社】
  

公開日:2017/06/02

【回答】
裁量労働制でも、不足分があれば差額を支給する必要あり

深夜労働に対する手当が、いわゆる固定残業代に相当するケースでは、実時間に基づく法の割増賃金額を上回っているか、下回っているかの確認が必要です。深夜労働に対する手当が下回っている場合は、差額支給が必要になります。そのため、「(休日労働及び)深夜労働は裁量労働者については禁止する」といった条項を就業規則等に記載し、原則禁止としたうえで「上司への事前の届出、許可・承諾のうえで行う」などとして、実績の報告を求めて管理すべきだと考えられています。

これを管理するにあたって、労働時間に応じた健康・福祉確保措置(労働基準法38条の3第一項4号)を講じます。出退勤時刻や入退室時刻の記録等によって、どの時間帯にどれくらいの時間在社し、労務を提供し得る状況にあったか等を明らかにする必要があります。


なお、裁量労働制には専門業務型(労働基準法38条の3)と企画業務型(同38条の4)の2つがあります。これらはいずれも「一定の時間労働したものとみなす」もので、労使協定や労使委員会の決議で定める時間、労働したものとして扱います。

そして、みなし規定が適用されるのは労働時間の計算についてのみであって、休憩時間や休日は、法定どおり付与しなければなりません。裁量労働だからといって、労働者本人が勝手に自分で休日を定めて休んだり、あるいは休日に出勤したり、自己の都合で休日を変更することなどが許されるわけではありません。

午後10時以降から翌午前5時までの深夜労働についても、みなし規定の適用はありません。深夜に労働したときは、たとえみなし時間内でも深夜割増賃金(労働基準法37条1項)を支払う義務があります。


なお、専門業務型においては、業務遂行の手段や時間配分の決定に関し、「大幅に」本人の裁量に任せることなどが要件で、「労働時間適正把握ガイドライン」(平成29年1月20日基発0120第3号)も対象外とされています。

詳しくは専門家にお尋ねください。