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“区分登記”の二世帯住宅だと、小規模宅地の特例が適用されない?

17.08.04 |

自宅の評価を下げる相続税対策として、「小規模宅地等の特例」が頻繁に活用されています。この特例を適用すれば、最大で、自宅の評価額を80%減額できます。 

しかし、特例適用には条件を満たす必要があります。その条件はいろいろありますが、最も重要なのが「基本的に親と同居しているか、生計が一つである」ということです。 

そうすると、気になるのが二世帯住宅。
実は、二世帯住宅の場合は登記の仕方によっては、この特例が適用されないケースもあります。
特例を正しく適用するためには、区分登記になっている二世帯住宅を単独登記か共有登記にしておくことが重要です。

二世帯住宅でもいろいろなケースがあります。 

①親と子どもで同じ家屋に同居しているが、生活している階が異なる場合 
いわゆる建物の内部で行き来できる二世帯住宅です。単独登記や共有登記で登記されています。 

②親と子どもで同じ家屋に同居しているが、玄関が別々で建物の内部で行き来することができない場合 
建物が完全分離型の二世帯住宅は区分登記を行えます。もちろん、単独登記や共有登記も可能です。 

二世帯住宅で小規模宅地の特例が適用されるか、されないかという判断は、親と同居している事実があるか、または親と同一生計である事実があるかにかかっています。 

そして、その判断基準の最も重要なものに、その物件が区分登記されているか、されていないかがあるのです。 


完全分離型の二世帯住宅の場合、不動産取得税や固定資産税の節税を目的に区分登記をするケースがあります。
ところが、相続税の節税対策では区分登記がネックになってしまいます。 

リフォームなどで特例を適用するため、①のように事実上、建物の内部で行き来する構造に自宅を改修する人がいますが、区分登記の場合は原則、小規模宅地の特例が適用できないとされています。 

ただし、実際にキッチンを共用していたなど、生計を同一にしていたという事実が証明されれば、適用される可能性はあります。 

一方、②のように親と子で生計を別にする完全分離型の二世帯住宅であっても、区分登記をしていない場合は、原則として小規模宅地の特例を適用できます。 


完全分離のタイプにしている二世帯住宅に特例を適用させたいのであれば、その物件が区分登記されているかどうかを確認する必要があります。 

区分所有で登記されている場合は、単独登記か共有登記にする必要があるでしょう。
ただし、単独登記や共有登記にすると、相続財産になってしまい、遺産分割の対象となります。 

親族間で揉めている場合、遺産分割で争いのタネになってしまうケースもあるので、遺言書などであらかじめ相続する人を指定するなどの対策が必要です。 

詳細を知りたい方はお問い合わせください。 


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