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「自分への信頼感」がノルマ設定のカギ

16.07.29 |

部下のモチベーションをどうやって高めるか──。組織のリーダーが気にかけるテーマのひとつだろう。 

モチベーションの裏付けとして、成功体験は欠かせない。

「前回この仕事をやって、自分のスキルが上がった」とか、「この仕事を終えたら、家族を幸せにできる」といった気持ちは、日々の業務に打ち込む動機づけとなる。 

とはいえ、課せられた仕事の難易度が自分の能力をはるかに越えていたらどうか?

「これをやれば自分のスキルが上がる」と分かっていても、「このノルマを達成するのは無理だ」と思ってしまうだろう。

その瞬間にもう、モチベーションの糸が途切れてしまうのだ。

さあ、リーダーの出番である。部下のひとりと、こんなやり取りをしたとしよう。 

「10回ならできるか?」 

「できます」 

「20回ならできるか?」 

「たぶん、できません」 

「15回ならできるか?」 

「難しいかもしれませんが、できそうな気がします」 

あなたなら、ノルマを何回に設定するか? 

10回では少ない。簡単にできてしまうので、部下の成長につながらない。成功体験としては安易だ。 

20回では多い。できないと見込んでいるから、モチベーションが続かない。成功体験を得られない。 

15回は過不足がないだろう。ひと山を越えてノルマへ辿り着くので、成功体験が達成感で包まれる。 

「自分はできる」という自己への信頼感は、行動に大きな影響を及ぼす。「よし、うまくできそうだ!」と部下が思えるノルマを、リーダーは見極めたい。


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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