銀行融資の考え方その1 「常識の範囲で考える」 

14.05.30 | ビジネス【財務】

江口経営センターの神林です。
銀行が融資の判断を行う際のポイントについて、不定期ではありますが情報があり次第、配信していきたいと思います。



設備資金の調達に関するご相談の中で比較的多いご質問が、 「当社はいくらぐらい調達できますか」というものです。


質問の背景にあるのは、「設備投資の計画を立てるために、 調達出来る金額の目処を知りたい。」ということでしょう。

しかし、貸し手の立場からすると、計画が決まっていない段階では検討のしようがありません。

ニワトリが先か卵が先かとい う話ですが、「借り手が先に計画を立て、必要な金額を決めてから融資を依頼する。」のが正しい順番です。


ただ、「調達できるかどうかも分からないのに、見当違いの計画 を立てても仕方ない…」という理屈も良く分かります。

あえてお答えするならば、「常識の範囲内で計画を立ててください」となります。


「銀行の常識は世間の非常識」等と言われることもありますが、おおよそ常識の範囲内でわかることがほとんどです。


例えば、現在10坪、月商80万円の飲食店を一人で運営している方が、「1億円をかけて150坪のペットショップを出店する」という計画を立てたとします。


世間一般的には、「畑違いの事業への進出」「事業規模の大幅なランクアップ」等を成功させるのは難しいとされています。

もちろん例外的に成功できる突出した経営者も中にはいます。


あなたがもしそうであったとしても、貸し手はそのリスクを取りません。一般的に成功する確率が高いとされる計画を選びます。

あなたがどう考えるかでは無く、世間はどう考えるかという目線が必要です。


■設備投資及び設備資金調達の流れ

1.事業計画を立て、計画に必要な金額を算出する。

 
2.計画に必要な資金のうち自己資金と借入の割合を考える。

3.資金繰り計画を立て、借入の返済が可能かどうかを確認する。


上記の結果、返済が可能な資金繰り計画が出来上がれば、事業と借入のバランスがとれていることになります。


ただ、この時に気をつけたいのが売上の見込みです。 あなたが突出した経営者であっても、近隣同業他社と比較して、一般的に可能と思える数値を見込みとしてください。

銀行は「保守的な」事業計画書を好むようです。


また情報があり次第お届けします。

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