TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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参院選を見極めよう!

14.05.30 | 【バックナンバー】山崎泰の月刊メッセージ(2014年5月まで)

7月になり、暑気日ごとに加わる昨今でございます。
 皆様には、お変わりなくお過ごしのことと存じます。

 通常国会も終わり、マスコミ報道等を見ていても、なにか参議院議員選挙一色のような雰囲気になってきました。
 今月号のTFSレポートでもふれましたが、やはり仕事柄、税財政の動きがとても気になります。
 
 参議院選挙を間近に控えて唐突に出てきた感は、どうしても否めませんが、『ふるさと納税』の議論自体については、税金に対する意識を高めるという点では、貴重な機会だと思っています。
 特に、これまであまり陽の当たらなかった住民税という地方税の意味を、地方自治体が、そしてそこに暮らす住民が真剣に考えるということは、大きな意味があろうかと思います。

特に先月6月は、源泉徴収票を見ても、普通徴収の納税通知書を見ても、まさに住民税額が変わったことを実感する時期でもありました。
 「なぜ、住民税を納税しているのか」――立ち止まって、考えてみるとても良い機会です。

 石原東京都知事が断行した銀行税導入の時のように、銀行に対する世論や感情を喚起して、本来の税の公平性や租税法定主義等という原理原則論を押し切って失敗した先例を間近で見て来ただけに、私自身は、税の原則論が一時の感情に流されてしまってはいけない、との思いを強く持っています。

 住民税は、自分が今住んでいる自治体から受けている行政サービスに対する対価であるという「受益者負担」の原理原則があります。

 「ふるさとを大切に思う」「ふるさとに貢献したい」気持ちは誰もが持っています。それを国税たる所得税で行うのか、地方税たる住民税で行うのか、本来財政調整の機能を果たすべき地方交付税制度は何のためにあるのか、自治体に寄付するなどの形で実現できないのか等々、冷静に考えてみる課題だと思います。

 暑い参院選、「ふるさと納税」に限らずとも、納税者としてしっかり見極めて行きたいものです。時節柄、お体にはくれぐれもご自愛下さいますよう、心よりお祈り申し上げます。

                                                                                                     平成19年(2007年)7月

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