有限会社 サステイナブル・デザイン

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ぐるぐる天国®経営通信150826号(Vol.4)

15.08.26 | オトク情報

■今週のトピックス

・1粒で3度おいしい省エネとは?

■今週お届けする記事

・社長の賃貸住宅の家賃を会社の経費にできる?
・「欠勤しない」「有給休暇を取らない」のは美徳?

■セミナー・イベント情報

・9月8日(火)助成金・補助金活用【月例セミナー(第3回)】
・8月29日(土)後継者のための虎ノ門第二創業スクール【無料体験講座】※いよいよ今週末!
・9月17日(木)後継者のための御茶ノ水第二創業スクール【無料体験講座】

1粒で2度おいしい省エネとは?

最近、名刺にも書いていないし、自己紹介でも言わないのですが、実は私、環境問題に取り組んで25年のエコスタイリスト®です。
エコスタイリストというのは、「社会・ビジネス・生活をエコスタイルに変える人」という意味で、私の造語です。

環境マネジメントシステムの審査やコンサルティング、表彰などに関わって10年。
間接的なかかわりも含めると650社ほどの中小企業の環境マネジメントを見聞してきました。

大掃除と同じで、無対策の状態からのスタートだと、最初はどこの会社も大きな成果が上がります。
代表例が省エネルギーや廃棄物の削減や有償売却への転換です。

そこで今日は、

省エネルギー対策が利益改善にどのように貢献するのか

解説していきたいと思います。

1.省エネルギーが3度おいしい理由

省エネルギーとは、エネルギーを使い過ぎの状態から、合理的にエネルギーを使用している状態への改善のプロセスです。

ちなみに、「省エネ法」という法律をお聞きになった方はたくさんいらっしゃると思いますが、正式名称をご存知でしょうか?
「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」です。
省エネルギーという言葉は、法律の名称にも、条文にも1つも含まれていません。

それはともかくとして、省エネルギー対策の経営上の効果は大きく3種類あります。

・無駄が減る
・体質が変わる
・ご褒美がもらえる

1つひとつ、みていきましょう

2.無駄が減る

4年前の震災後の夏、電力不足による大停電を回避するために、みんな節電に励みました。
「節電」は、2011年の流行語大賞にもノミネートされました。

で、翌年、審査に伺ってみると、環境マネジメントの目標で、
前年度比毎年1%ずつとか、超漸進的というか超保守的な目標を掲げていた組織が、
軒並み、前年比10%減、20%減という省エネルギーの成果を上げていました。

それはもう見事なくらい、「これ以上は無理」と言っていたのを、現実が覆しました。

「為せば成る、為さねばならぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」by上杉鷹山

まさに、そのとおり!

で、電力消費量(kWh)が減れば、その分だけ、電気代(¥)も減りますね。
ガソリンや軽油や灯油や重油の消費量(リットル)も、ガスの消費量(kg、㎥)も、みな同じ。
つまり、コスト削減になります。
運用改善によるコスト削減であれば、全額純利益です。

当たり前と言えば当たり前ですが、これが、1度目においしい理由です。

内心、「やらされてる感」満々の経営者も、これでけっこう、ホクホク顔になり、
味をしめて、他の無駄探しに取り組んだりします。

3.体質が変わる

ところが。

2年、3年と無駄探し・無駄減らしに取り組むと、だんだん効果の絶対量が減ってきます。
5年、6年となると、やっていることの効果がないように感じられてきます。

しかし、これは大きな勘違いなんですね。

ダイエットを例に考えてみましょう。
ダイエットで、体重が減ったとします。うれしいですね。
これが、省エネに取り組んだ初期の効果です。

で、もうちょっと頑張ろう、理想の体型を目指そう、と言って、引き続きダイエットに励みます。
体重の減少よりも、ボディラインとか基礎代謝とか筋肉量とか、そういうところが変わってきます。
そのうち、意識的に努力しなくても、一定の体重・体脂肪率・体型が維持できるようになったとします。

これが、省エネに取り組んで数年たった状態です。

ダイエットで、リバウンドせずにこの状態を維持できていたら、「すごいね!」っていう話になります。

しかし省エネだと、なぜか「効果がないね」というネガティブ評価になりがちです。

ピーク電力のカットと平準化で基本料金が下がり、電力消費量そのものの削減で従量料金も下がっている状態。
これが維持されているだけで、省エネ前に比べて、利益創出体質に変わっているにもかかわらず、です。

継続的改善という言葉に、「対前年比でパフォーマンスを上げ続ける」という意味で呪縛されすぎているように感じます。
ダイエットの場合、「体重を減らし続ける」ことは不可能ですね。死んでしまいます。
健康的・理想的なあるラインまで到達したら、それを維持していることは十分な成果です。

省エネの場合も、同じです。「改善された状態が維持されている」、すなわち、体質が変わっている、ということです。
基準年の90%水準のエネルギー消費量(エネルギーコスト)で推移しているなら、
10%×5年、10%×10年の累積コスト削減金額=累積純利益創出額を評価してほしいと思います。

これが、2度目においしい理由です。

4.ご褒美がもらえる

今までの話は、コストを減らせるという話でした。
それだけではなく、省エネ対策には、お金をもらえる可能性もあります。

まず、前回ご紹介した「設備・工事系補助金」の受給です。
1500万円の設備投資の1/3補助であれば500万円、1/2補助であれば1000万円。

受給の要件や補助率、補助金額等は、制度によって異なるので、確認が必要です。
この系統の国の補助金の公募は終わってしまいましたが、、、
これから応募できる、東京都独自の助成金があります!

中小テナントビル省エネ改修効果見える化プロジェクト
・省エネ設備導入に最大2,000万円の助成!申請は第3回募集で最終
・第3回募集説明会は10月6日(火)、7日(水)
・申請受付は平成27年10月1日~平成28年1月15日
 http://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/visuralize/

スマートマンション導入促進事業
・都内集合住宅のMEMS(マンションのエネルギー管理システム)導入
・設備費・工事費の1/2を助成!
・申請受付は平成27年8月下旬~
 http://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/mems/#smoothplay2

そして、あまり知られていないのですが、東京都独自の法人事業税の減免制度というのもあります。
これは、東京都法人会連合会と東京都が連携して進めている

「地球温暖化対策報告書」

を提出した事業者が、東京都に指定された省エネ設備(下記)に投資した場合、法人事業税の減免が受けられるというものです(個人事業も対象になります)。

・空調設備(エアコンディショナー、ガスヒートポンプ式冷暖房機)
・照明設備(蛍光灯照明器具、LED照明器具、LED誘導灯器具)
・小型ボイラー設備(小型ボイラー類)
・再生可能エネルギー設備(太陽光発電システム、太陽熱利用システム)

減免の内容は、けっこうすごいと思いますよ。法人事業税に限ってご紹介すると、、、

・設備の取得価額(上限2千万円)の2分の1を、取得年度の法人事業税額から減免
・ただし、当期税額の2分の1を限度
・減免しきれなかった額は、翌事業年度等の事業税額から減免可

たとえば、1000万円かけて、空調設備を東京都に指定されているエアコンに入れ替えたとします。
そして、地球温暖化対策報告書を期限までに提出したとします。
すると、1000万円×1/2=500万円の減免額が手に入ります。
当該年度の法人事業税が600万円だとすると、その1/2=300万円の減免を受けられることになりますね。
そして残りの200万円の減免額(500万円-300万円)は、翌年度の法人事業税額から減免されます。
つまり、減免額を繰り越せるわけです。

4月に予算切れになってしまった「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金/最新モデル省エネルギー機器等導入支援事業」、
もうすぐ結果が発表されると思われる「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に間に合わなかった、採択されなかった事業者も、この制度を活用してご褒美をもらえるかも!

環境コンサル×経営コンサルで、私自身としても、もっともお役にたてるところでもあります。

ご興味のある方は、9月8日(火)11-12時開催予定の助成金・補助金活用【月例セミナー】にお越し頂くか、個別にご連絡をいただければ幸いです。

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