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信託すると財産は誰のものになるのか?
15.10.09 | 業種別【不動産業(相続)】
財産を信託した場合、その財産は、誰のものになるのでしょうか?
A説「信託財産は、あくまで託しているだけなので、所有者は委託者のままである」
B説「信託財産の管理、処分を行うのは受託者なので、実質的に受託者のものである」
C説「信託財産は、受益者のために託されている財産だから、受益者のものである」
さあ、みなさんは、どの説が正しいと思われますか?
信託されると、財産の名義は委託者から受託者へ移ります。なぜなら受託者は、信託財産の管理や処分を行う必要があるからです。
しかし、これは便宜上名義が変更されているだけであって、信託財産が受託者のものになったというわけではありません。
では、やはり信託財産は依然として委託者のものなのかというと、名義も管理・処分権限も受託者に託してしまっていますから、そうではありません。
したがって、A説もB説も正しいとはいえないということになります。
では、C説はどうでしょうか? 受益者は、信託されることによって、信託財産から生じた利益を受ける「受益権」という権利を取得します。
これは、あくまで利益を受ける権利を取得したに過ぎないのであって、財産そのものを取得しているわけではありません。よって、C説も正しくないということになります。
さあ、すべての説が正しくないという結果になりました。
何だかみなさまをだましたような形になりましたが、結論を申し上げますと、信託財産は誰のものかと問われれば、「誰のものでもない」が正解なのです。信託財産として、独立した状態とも言えるかもしれません。
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