TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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『新型コロナ』『インフルエンザ』『熱中症』『交通事故』・・・

20.09.14 | 経営全般

■ 『新型コロナウイルスへの経済対策』が、大きな議論に

与野党ともに、新たに政党トップが選出されて、
まさに新しいフェーズ(局面)に入ったような感が
あります。

総裁・代表が選ばれる過程でも、様々な政策論争が行われましたが・・
喫緊の課題である『新型コロナウイルスへの経済対策』が、
やはり議論の大きな中心だったように思います。

自民党の菅義偉・新総裁も、日本記者クラブでの公開討論会などで、
「新型コロナウイルスへの経済対策として、中小企業や国民への追加給付について、
必要であれば、しっかりと対応したい」と発言されていました。


■ 国や自治体からの営業自粛要請にも、じっと耐え続け・・・

かたや、国からの緊急事態宣言を受け、
東京都や大阪府など、地方自治体からも時短営業要請を受け、
本当に苦しいながらも、感染拡大防止という社会の公益のために、
自らの営業機会すら、じっと我慢し、しっかりと守り続けてきた・・・

とくに飲食店舗などを多店舗展開する
そんな、心ある多くの顧問先に接するたび・・・

会計チームとしても、危機を少しでも脱する策を練り、
少しでも役に立ってみせるとの思いを、日々新たにします!
 
とりわけ東京都では、営業時間短縮の自粛要請も長く続いたことから、
今でも、本当に厳しい情勢が続いています。

前年比「4割」「5割」の店舗は当たり前・・・
前年比「7割」の店舗があれば、それこそ表彰モノ・・・

なかには、居酒屋などが並ぶ飲食フロアそのものが、
前年比「2割」台から脱せないという・・・こんな悲痛な声まで。


■ 橋下徹氏の「問題提起」に思い浮かんだ・・・『Zero Defects(ゼロディフェクツ)』
 
先月、橋下徹氏が、テレビ討論番組で、
新型コロナウイルス対策に対する、政府の考え方、取り組み方に関して
番組参加者・視聴者に問いかけていた「問題提起」・・・

その時、ふと思い浮かんだのが
『Zero Defects(ゼロディフェクツ)』という、経営学で取り上げられる、経営戦略です!

読んで字のごとく・・・
欠点・欠陥をゼロにしよう!という運動。
 
欠点・欠陥ゼロにすることによって、顧客ひいては社会からの信頼を得て、
より市場拡大につなげていこうという、経営戦略上、使われる手法です!
 
1960年代、米国航空会社がミサイル製造現場に号令を出し、
徹底した作業改善運動を展開したことに端を発して・・・

数年後には、日本にも伝わってきた考え方と言われています。
ただし、ゼロディフェクツ運動は、かなりハードルが高く、
現実的には、すぐに取り入れた企業は稀とも。。。


■ 橋下徹氏の「問題提起」とは??
 
その橋下徹氏の「問題提起」とは・・・こんな要旨でした。

確かに、病気でもウイルスでも熱中症でも、交通事故でも災害でも、
国として、国民として、ひとりの死亡者を出したくない気持ちに、変わりはない。

しかし、ひとりの交通事故死亡者も出さなくするためには
この社会から、自動車というモノを失くしてしまわなければならないかも・・・

しかし、ひとりの熱中症による死亡者も出さないためには
エアコンのない全世帯に、税金を使ってでも設置しなければならないかも・・・

だから、病気でも事故でも、残念ながら一定数の死者が出てしまうことを、
この社会は、ある程度織り込みながら、成り立っているはず・・・

社会的に許容されうる範囲も見据えながら、
政府としては、大事な税金をつかって、いかに安全・安心な社会を確保していくかという
「税金の支出」と「効果的な政策」のバランスを取っているはず!!
 
 
■ 橋下徹氏の問題提起に思い浮かんだ・・・『Zero Defects(ゼロディフェクツ)』戦略
 
橋下徹氏が言いたかったのは、政策と予算支出とのバランスです。

もちろん、国難とも言える「新型コロナウイルス対策」は、
喫緊の課題でもあり、徹底した対策が必要!

しかし、「未知との遭遇」のような、あまりにも感染拡大を恐れるあまり
東京や大阪などの中小零細飲食店にも、長期に多大なる営業自粛を強いている現実。

本来なら、一定の許容範囲を受忍する社会を超えて、
あまりにも、政策が偏り過ぎていないか・・・
あまりにも、予算が偏り過ぎていないか・・・
果たして、すべて税金で賄いきれるのだろうか・・・
橋下徹氏の発言を、私なりに、
こんな「問題提起」と受け止めた次第です。


■ 橋下徹氏の問題提起に思い浮かんだ・・・『Zero Defects(ゼロディフェクツ)』戦略

ちなみに、それぞれの死亡者数を調べてみると・・・
 
熱中症による死亡者数・・・・・・・年間1,581人(2018年)
交通事故による死亡者数・・・・・・年間3,215人(2019年)
インフルエンザによる死亡者数・・・年間3,325人(2018年)

新型コロナウイルスによる死亡者数・・・1,442人(2020年9月13日現在)

この数字だけを取り上げて、
だから、どう・・・というつもりは、毛頭ありません。

しかし、限られた国家予算の中で、赤字国債も増え、
次の世代へのツケも、どんどん増えていくような
負債先送りのような財政状況になりつつあるなかで、
「税金の支出」と「効果的な政策」のバランスに関して、
世論を怖がらずに、勇気をもって、堂々と正面から政策を論ずる政治家・官僚がいて欲しい!

一時期、首長連合時代の橋下徹氏とともに歩んだ経験も持つだけに
私が言うと、バイアスがかかって見られてしまいそうですが・・・

将来に大きなツケを回しかねない、昨今の予算付けだけに、
与野党ともに、新しいフェーズに入った国会では
こんな正面からの議論も、是非ともしてもらいたいです!!


   2020年9月15日
              山  崎  泰

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