14.04.06 | 業種別【美容業】

「おもてなしは、その人に合わせて行うもの。
気持ちに寄り添うならばそれぞれ違ってきますから、
サービスという言葉ではくくれないのです。
ですから当店では、サービスという決まりはありません」

こう語るのは埼玉県さいたま市で20年、
地域密着型のヘアサロンを営む代表のＴ氏。

となりのヘアサロン

たとえばお茶を出すにしても、
“このタイミングで出す”と決めるのではなく、
お客さまが気持ちよく居眠りしているなら
そのときは出さず、頃合いを見計らってお出しする。

そういったことが、店の考えになるとＴ氏はいいます。

20年続けていますと、支店を出すことを考えるときがありますが、
たくさんのスタッフを抱えることになれば、
こういった考えが行き届かなくなる可能性がある。

よって、Ｔ氏は支店は出していない。

Ｔ氏はさいたま市の店舗以外に伊豆高原に１店舗出店していますが、
ここは完全予約制で違う楽しみ方をしたいということから出店。

お客さまを喜ばせたいと、
予約がある日だけＴ氏が伊豆高原に行き、
さいたま市のヘアサロンのお客さまや
地元の方々にも来店していただいている。

お客さまへのおもてなしは、
店側が決めたサービスではない。


次回の「となりのヘアサロン」は
「話しやすい環境づくりと観察力」をお届けします。


【記事提供元】
サロンオーナー2013年10月号（理美容教育出版）