響き税理士法人

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「改正会社法の概要」

14.08.04 | 【会計】

平成26年6月27日に「会社法の一部を改正する法律案」(以下、改正法)が公布されました。
◆改正会社法の公布
◆企業統治に関する改正の概要
◆親子会社等に関する改正の概要

◆改正会社法の公布

 平成26年6月27日に「会社法の一部を改正する法律案」(以下、改正法)が公布されました。
施行は公布の日から起算して1年半以内の政令で定める日とされていますが、27年4月1日となる見通しです。
なお、今回の改正では社外取締役の選任義務化は見送られていますが、近い将来には設置を義務づけられる可能性があります。

以下、改正法の主な内容について概説いたします。


◆企業統治に関する改正の概要

1)社外取締役を置いていない理由の開示
事業年度末日において、①監査役会設置会社②公開会社③大会社④有価証券報告書提出会社の4つの要件に該当する会社が、社外取締役を設置していない場合には、当該事業年度に関する定時総会において、社外取締役を置く事が相当でない理由を説明しなければなりません。

2)監査等委員会設置会社の創設
新たな機関設計として、監査等委員会設置会社制度が新設されました。監査等委員会は取締役3人以上で構成し、過半数は社外取締役である必要があります。

3)社外取締役及び社外監査役の要件
 社外取締役及び社外監査役の社外要件として、①親会社等の関係者でないこと②兄弟会社の関係者でないこと③その会社の取締役・執行役・支配人その他の重要な使用人又は支配株主の近親者(配偶者又は2親等内の親族)でないことの3つが追加されました。
 このように要件は追加されましたが、社外要件の対象期間は10年と限定されています。

4)会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定
 会計監査人の選解任等に関する議案の内容について、監査役等に「決定権」が付与されます。
 なお、会計監査人の報酬に関しては、現行法と同様に「同意権」のみです。


◆親子会社等に関する改正の概要

1)多重代表訴訟
 親会社の株主が、一定の要件の下で、子会社の役員等の責任を追及する制度です。
 最終完全親会社等(企業集団の最上位にある完全親会社等)の総株主の議決権または発行済株式の100 分の1 以上を有する株主は、子会社の株式の帳簿価額が最終完全親会社等の総資産額の5 分の1 を超える場合に多重代表訴訟が可能となりました。

2)企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制の整備
 取締役会は、会社のみならず会社およびその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制の整備についても決定する必要があることとされました。
これは、現行の施行規則から会社法本体に盛り込まれたものです。


キリサワ税理士法人 情報発信委員会

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