税理士法人ユリウス

第3回 決算数値はこう分析する!

14.09.09 | 【連載】会計で会社を強くする!月次決算の活用方法

月次決算ができたら、経営者として決算結果に向き合いましょう。

 ただし、変動損益計算書には数字が載っているだけです。
 そこから業績の変化を読み取って、原因を検討することが大切です。

 数字からのメッセージを読み解くカギは「増えた?」「減った?」「それはなぜ?」という問題意識です。


会社の経営が安定しているときは、業績はあまり変わっていないと感じることもあるでしょう。

 しかし、経営の現場は日々刻々と変化しています。
 月次決算で打ち出される客観的な指標を通して、経営状態の変化に気づき、原因を検討できるようになりたいものです。


 業績の変化を読み取る方法として、以下の3つがあげられます。

 1.目標金額や前年実績と当期実績とのズレを確認する方法
 2.時系列で金額の推移を見る方法
 3.比率で分析する方法

 これらを着眼点に、「増えた?」「減った?」「それはなぜ?」という問題意識をもって分析してみましょう。

 たとえば売上高の場合なら、次のように分析します。
 
 1.今月の売上は前年同月に比べて ・・ 増えた?  減った?  それはなぜ?
 2.過去12か月の売上高の推移は ・・・ 増加傾向? 減少傾向? それはなぜ?
 3.売上高の前年同月比増減率は ・・・ 上昇傾向? 下降傾向? それはなぜ?

 ところで、変動損益計算書は「増えた?」「減った?」については教えてくれますが、「それはなぜ?」というところまでは教えてくれません。
 増減の理由について一番わかっているのは社長さんご自身のはずです。一か月の経営の状況を思い返してみましょう。

 「先月は天候不順でお客さんの数が少なかったなあ…」

 「でも、どうして前年同月に比べて売上が増えているんだろう?…」

 「今年出した新商品の売れ行きが影響しているのかなあ…」

 すぐにわかる場合もありますし、じっくり考えたり調べたりしてわかることもあります。時には、結局わからなかった、ということもあるかもしれません。
 
 
 大切なのは、業績の変化をすばやくつかみ取り、「それはなぜ?」と考えることなのです。

 自問自答を習慣にすることで、変化に対する感度が身につき、分析力が向上します。
 これこそが、経営者が月次決算を活用するポイントなのです。


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