「中小企業の会計に関する基本要領」~各論~
14.09.02 | 【会計】
◆はじめに
今回は、第1号でご紹介した中小企業の会計ルールの1つである「中小企業の会計に関する基本要領」(以下、中小会計要領)を構成する14項目の各論について、簡単にご紹介したいと思います。
◆14項目の各論
①収益、費用の基本的な会計処理
収益は、原則として、商品等の販売又はサービスの提供を行い、かつ、これに対する現金、売掛金等を取得した時に計上します。
費用は、原則として、費用の発生原因となる取引が発生した時又はサービスの提供を受けた時に計上します。
収益と費用は両者を対応させて期間損益を計上します。
②資産、負債の基本的な会計処理
原則として、資産は取得原価で計上し、負債のうち債務は債務額で計上します。
③金銭債権及び金銭債務
原則として、金銭債権は取得価額で、金銭債務は債務額で計上します。
手形の割引及び裏書は注記します。
④貸倒損失、貸倒引当金
法的に消滅した債権又は回収不能な債権がある場合、これらについて貸倒損失を計上します。
回収不能のおそれのある債権については、その回収不能見込額を貸倒引当金として計上します。
⑤有価証券
原則として、取得価額で計上し、売買目的有価証券については時価で計上します。
時価が取得原価よりも著しく下落した場合、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上します。
⑥棚卸資産
原則として、取得原価で計上します。
時価が取得原価よりも著しく下落した場合、回復の見込みがあると判断した場合を除き評価損を計上します。
⑦経過勘定
前払費用及び前受収益は当期の損益計算に含めず、未払費用及び未収収益は当期の損益計算に反映します。
⑧固定資産
原則として、取得原価で計上します。
有形固定資産は、定率法、定額法等で、無形固定資産は原則として定額法により、相当の減価償却を行います。
災害等により著しい資産価値の下落が判明した場合は評価損を計上します。
⑨繰延資産
資産として計上した繰延資産がある場合、その効果の及ぶ期間にわたって償却します。
⑩リース取引
リース取引の借手である場合、賃貸借取引又は売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。
⑪引当金
以下の4要件に該当するものを引当金として計上します。
1)将来の特定の費用又は損失
2)発生が当期以前の事象に起因
3)発生の可能性が高い
4)金額を合理的に見積可能
⑫外貨建取引等
外貨建取引は、取引発生時の為替相場による円換算額で計上し、外貨建金銭債権債務は取得時の為替相場又は決算時の為替相場による円換算額で計上します。
⑬純資産
期末に自己株式を保有する場合は、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として一括控除する形式で表示します。
⑭注記
会社計算規則に基づき、重要な会計方針に係る事項、株主資本等変動計算書に関する事項等を注記します。
中小会計要領に拠って計算書類を作成した場合には、その旨を記載します。
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