中谷彰吾税理士事務所

2014年産米概算金 採算ベースを割り込む

14.10.01 | 農業関係

先月2014年度米の概算金が出そろいました。
その概算金に異変がおこりました。
なんと一部銘柄を除き、ほとんどの銘柄で1俵1万円を割り込むという事態になりました。
これほど採算ベースを割り込む価格は過去になく、農家が稲作を続けるのは事実上不可能とまで言える事態となってます。

ではなぜこのようなことが起こったのでしょうか。
背景には「できるだけ早く売り切りたい」という思いがあるようです。
全農県本部・県経済連は13年産の販売で苦戦し、未契約米が残っている県もあるようです。
中には13年度共同計算の赤字が確実な県も複数あるほど厳しい結果となっているようです。
そこで14年産は「早期販売」「共同計算赤字の回避」が各県の大目標となっております。

こうした中スーパーなどで激安米が出回りました。
13年産の在庫を少しでも減らそうとする産地の値引き合戦が活発化したためです。
この流れは新米商戦でさらにエスカレートしており、各産地とも早期販売のためには無視できなくなり、
激安米に対応するために1万円割れの低概算金が出てきてしまいました。

米の生産費は1俵約1万6000円かかります。
生産費の半値にまで価格が下落しており、この状況を放っておいてもよいのか疑問です。
基本的には自由競争ですので、あまり声を大きくして言いたくない部分もあります。
が、ここは政府が一度しっかり介入して、農家が生産可能となる価格まで戻すことはできないものでしょうか?
そしてそのうえで消費者にもこのような事実を訴える必要があると思います。
このままでは国民の主食である米が消えかねないですので。

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