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「資本利益率」 ~経営の効率性が把握できます~

14.10.21 | 【会計】

◆はじめに 
あるところに、Aさんという経営者とBさんという経営者がいました。

そしてそれぞれこの1年間一生懸命会社経営を行って、AさんもBさんも同額の1億円の利益を得ました。

これだけ聞くとどちらの経営者も同じ能力を持っているように見えますよね。

でも実は、、、

、、、実はAさんは100億の元手を使って1億円の利益を得たのに対し、Bさんは10億円の元手で1億円の利益を得たのでした。

これを踏まえると、皆さんはどちらの経営者の方がすごいと思いますか?
感覚的に、少ない元手でAさんと同じ利益を得たBさんの方がすごいと思いますよね。

これを数字であらわしたものが資本利益率なのです。


◆資本利益率とは
資本利益率は企業の収益性を判断する重要な指標のひとつです。収益性とは簡単にいうと会社の儲けの程度をいいます。
資本利益率は、企業が持つ資本がどれだけ効率的に投入・運用されたかを測る収益性分析の重要な指標であり、
基本的に以下の式であらわされます。

 利益 / 資本

では、先程のAさんとBさんについて考えてみましょう。

Aさんは100億の資本で1億の利益を稼いだので、資本利益率は以下のとおり1%となります。

 1億 / 100億=1%

一方、Bさんは10億の資本で1億の利益を稼いだので、資本利益率は以下のとおり10%となります。

 1億 / 10億 =10%

Aさんは元手に対して1%儲ける能力があるのに対し、Bさんは10%儲ける能力があるということを表しています。
このように、資本利益率を算出することによって、BさんのほうがAさんより優秀であるということが数字上で把握することができるのです。

◆ROAとROE
資本利益率は先述のとおり利益を資本で割って算出します。
ご存知の通り利益や資本にはいろいろな種類があります。
どの利益とどの資本を組み合わせるかによっていろいろな資本利益率が算出できます。
そして、資本利益率の代表例としてROA(総資本事業利益率)とROE(株主資本利益率)があり、以下の式であらわされます。

ROA = 事業利益 注) / 総資本

ROE = 当期純利益 / 株主資本

注)事業利益とは事業が生み出す利益のことです。これについては制度で規定された利益ではなく、少なくとも3つくらいは定義式が存在しますが、ここでは事業利益=経常利益+支払利息とします。

ROAは「事業活動全体の平均的な儲ける力」を表します。
そのためROAは収益性のもっとも基本的な総合的指標と言われています。
一方ROEは総合的ではなく、株主という特定の利害関係者だけから見た収益性の指標です。

自社の資本利益率を算出して、経営の効率性について気になる会社と比較してみるのも面白いかもしれませんね。

キリサワ税理士法人 情報発信委員会

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