税理士法人ユリウス

第8回 発生主義で販売・購買・在庫を管理する

14.10.21 | 【連載】会計で会社を強くする!月次決算の活用方法

発生主義を採用すると、販売管理、購買管理、在庫管理が向上し、経営を正しい方向に導くことができます。
管理ロスを減らすことで、コストダウンを図りつつ高い精度で事業の課題を解決できる経営手法が、発生主義に基づく考え方です。


「販売管理」「購買管理」「在庫管理」で管理ロスを減らすことが重要なポイントです。

(1)「販売管理」で管理ロスを減らす
 発生主義で月次決算を行うと、商品を得意先へ出庫したタイミングで売上が計上され、同時に売掛金の発生が記録されます。つまり、商品を引き渡したタイミングで、会社は得意先に販売代金を請求することが確定され、請求金額が帳簿上に記録されることになります。
 このような販売管理を行うことで、請求モレをなくしたり、入金遅滞を速やかに把握するこが可能になり、与信残高を可視化することもできます。したがって、管理ロスが減少するのです。
 さらに、販売管理の体制が作られていくことで、従業員に不正を起こさせない内部統制が効いてきます。


(2)「購買管理」で管理ロスを減らす
 発生主義は、商品が仕入先から納品されたタイミングで仕入計上がされ、同時に買掛金の発生が記録されます。そうすることで、購入してもいない代金を支払うような管理ロスをなくします。
 また、商品が入庫されたタイミングで会社は仕入先への支払義務が確定するわけですから、今後の資金繰り管理に必要な情報が帳簿上明らかになっていきます。


(3)「在庫管理」で管理ロスを減らす
 発生主義では商品が仕入先から入庫されたタイミングで仕入が計上され、また、商品が得意先に払い出されたタイミングで売上が計上されます。
 商品の入出庫のタイミングで常に記録が行われることになるため、どの在庫がいくつ残っているかがわかります。また、商品の入出庫を商品別に記録管理することで、商品のあるべき残高数量と金額が把握できるようになります。つまり、商品が欠品にならず、また過剰とならないような管理が可能になります。
 さらに、棚卸差異を分析することで、商品誤発注、誤納品、滞留在庫、盗難等による損害などが把握できます。
 商品の引き渡しと売上の発生が連動しない現金主義会計だと、このような厳密な管理はできません。


 このように「販売管理」「購買管理」「在庫管理」は一連の物の流れで取引が繋がっています。
 これを効率良く一元管理するシステムを活用することで、販売、購買、在庫管理を無駄なく行うことができ、取引上の経営戦略を策定することも可能になります。


(お問い合わせ先)
  植田ひでちか税理士事務所
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