TKサポートクラブ(運営:株式会社TKキャリア)

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助成金と補助金、どう違う?

21.04.16 | 2021助成金・補助金情報

助成金・補助金、聞いたことはあるけれど、まだ自院では使ったことがない、あるいは、何年か前に一度だけ使ったことがあるようなないような、という方も多いのではないでしょうか。
そもそも、助成金と補助金、名前以外に、何がどう違うのでしょう?

厚生労働省の「助成金」

昨年来のコロナ禍で「雇用調整助成金」により、初めて「助成金」を活用した事業者が多かったと思われます。
この助成金も含め、雇用や労働条件の改善等にかかわる「助成金」は、厚生労働省の所管です。
雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上、生産性向上などに資する取り組みを行う事業主が対象となるものです。
雇用保険や労働保険に加入していることが大前提です。

歯科医院で活用しやすいものとして、

  • 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
  • キャリアップ助成金(正社員化コース)
  • 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

などが挙げられます。

厚生労働省の助成金は、上記のように、「○○助成金(○○コース)」といった形で、目的・取組内容・対象者ごとに細かく細分化されているのが特徴です。
人を雇う・処遇を改善する・能力を上げる・職場環境をよくする場合に使える可能性がある、と理解しておくとよいでしょう。
例年70種類ほどの制度が用意されていますが、要件を吟味すると、自院で実際に使えるものは限られてきます。

制度によって異なる場合もありますが、基本的には雇用保険に加入していること(雇用保険適用事業所)であることが必要です。
助成金共通の要件と、各制度ごとに求められる要件をクリアすれば、受給することができます。

経済産業省の「補助金」

経済産業省の「補助金」は、事業を発展させるための新たな取組を行う「計画」が対象となるものです。
具体的には設備投資、IT投資、販路開拓など。

ただし、所管が経済産業省であることから、基本的には「会社、個人事業」が補助対象となっており、歯科医院の場合、個人事業のクリニックは使えますが、医療法人は使えない場合がほとんどです。
  • 事業再構築補助金(新分野進出、事業転換、業種転換、業種転換、事業再編)
  • ものづくり補助金(設備投資、システム開発、新製品開発等)
  • IT導入補助金(ソフトウェア、クラウドシステム等の導入)
などが代表例として挙げられます。
IT導入補助金は医療法人も補助対象となりますが、事業再構築補助金・ものづくり補助金は「会社、個人事業」のみです。

売上を上げ、粗利を増やすために新しい設備等を導入する場合に使える可能性がある、と理解しておくとよいでしょう。

事業計画を申請し、審査においてその内容・熟度・実現性などを評価され、高い点数を得た順に採択されます。
上記のものづくり補助金の場合、2020年度は平均すると採択率(採択数÷申請数)は約4割でした。

重要なのは目的と将来像

所管する省庁・原資・受給要件等の違いはありますが、助成金にしろ補助金にしろ、重要なのは自身の院を「何のために・どうしたいか」、目的と将来像を明確化しておくことです。

これが明確であれば、将来に向かって必要なヒト・モノ・IT等への投資計画が立てられます。

お金をかけずにできることもあるかもしれませんが、お金をかけなければできないこともあります。
お金をかけなければできないことについては、条件とタイミングが合えば、助成金・補助金をうまく活用することで、投資費用を抑え、投資回収年数を早めることができます。

新年度を迎え、助成金・補助金のメニューが一新され公募も順次始まっていますが、急がば回れで、3-5年後の理想の院の姿を思い描くことが最良の準備となります。

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