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【損金算入?損金不算入?】交際費等の範囲や損金算入限度額について

21.08.13 | 事務所通信

こんにちは、マクシブ総合会計事務所です。

今回は税務上の「交際費等の損金算入限度額」、つまり「交際費の税務上費用として認められる上限額」について解説します。

事業を行っていれば、少なからず発生するであろう交際費ですが、会社の規模によって損金算入できる限度額が違ってきます。交際費の範囲等にも触れながらご説明します。

「交際費とは?」交際費等の範囲について

法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいます。

具体的には仕入れ先や取引先との会食や、お中元・お歳暮や、手土産などが挙げられます。一方で以下のようなものは交際費等から除かれます。

交際費として認められないもの

①専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

⇒こちらについては、「従業員の慰安が目的である」と考えると、交際費ではなく福利厚生費となります。

②飲食その他これに類する行為のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

⇒こちらについては、税務上の交際費からは除かれます。
ただし、下記の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

イ 飲食等のあった年月日

ロ 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係

ハ 飲食等に参加した者の数

ニ その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名又は名称、住所等)

ホ その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

交際費になるかどうかの判断は、「どのような目的でその支出がなされたのか」、ということを考えて判断することをおすすめします。

参考:国税庁HP No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

中小法人:交際費等の損金算入限度額

交際費を損金算入できる上限額は会社の規模によって変わります。

この章では、”中小法人の損金算入限度額”についてご説明します。
ここでの中小法人とは、期末時点の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人となります。(但し、資本金の額が5億円以上である法人の子会社等は除きます。)
中小法人における損金算入限度額は次のいずれかの金額となります。

・交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%

・年間800万円。ただし事業年度が1年未満の場合は月数で按分となります。

中小法人以外の法人:交際費の損金算入限度額

前章では中小法人についてご説明しましたが、こちらでは”中小法人以外の法人”の損金算入限度額についてご説明します。

中小法人以外の法人は、交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%が損金算入可能です。

ただし期末の資本金の額又は出資金の額が100億円をこえる法人は、交際費の全額が損金不算入となります。

交際費の金額基準は税込処理?税抜処理?

ここまで損金算入限度額に関してご説明してきましたが、限度額に関して、税込と税抜のどちらの金額が基準になるのか気になりますよね。

どちらになるのかは、税込経理と税抜経理のどちらを採用しているかによって変わってきます。税込経理を採用していれば税込の金額で判断し、税抜処理を採用していれば税抜の金額で判断することになります。

参考:国税庁HP No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

最後に…



いかがだったでしょうか。
税務上の交際費等の定義と損金算入限度額をしっかり理解頂き、日々の経理処理に役立てて頂ければ幸いです。

接待交際費に関しては、以前もご紹介しておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。

接待交際費は税務調査でも厳しく見られる項目の一つです。
その費用は本当に税務上接待交際費として損金算入可能なものか、帳簿・証憑類の保存方法は正確か、そこが大きなポイントとなってきます。

税務上のポイントは判断が難しいので、日々の会計処理や証憑類の保存は会計・税務のプロに任せるのもお勧めです。

マクシブ総合会計事務所では、中小企業様の経理業務や記帳を代行しています。
お困りのお客様はぜひ一度ご相談ください!

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