中谷彰吾税理士事務所

世界の穀物の価格上昇の背景②

14.11.13 | 農業関係

2006年以降7年以上にわたって上昇し続ける穀物価格。
その背景と日本への影響などについて書いていきます。
今回の第2回は価格上昇以前と価格上昇以後でどのように需給構造が変わったか、です。

2004年、2005年度にあっては、アメリカでのトウモロコシの最大の用途は飼料向け1億5200万トンであり、全体の用途の55%を占めてました。次に輸出17%、食用・工業用・種子12.5%。エタノールは11.4%で最下位でした。
価格上昇以前のトウモロコシ需要構造は、飼料が中心で、余った分を輸出が補うという形でした。
さらに在庫量も3,900万トンと実に在庫率は14%。潤沢な在庫を抱えていたわけです。

しかし2006年度以降、エタノール向け使用が激増しました。
2011~2012年度平均においては、エタノール用途が1億2730万トンとなりこれは実に全体の40.4%を占めます。
飼料用は1億1680万トンであり、エタノール用が飼料用を上回りました。
価格上昇以前に比べてエタノール用途は9540万トンの増。逆に飼料用は3500万トンの減、輸出も430万トンの減。
全体では3700万トン増となり、在庫率は9.3%と10%を切ってしまいました。

次回は、なぜここまでエタノール生産が増えてしまったかについてお話しいたします。

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