中谷彰吾税理士事務所

世界の穀物の価格上昇の背景③

14.11.13 | 農業関係

2006年以降7年以上にもわたって上昇し続けている穀物価格。
その背景と日本への影響などを連載形式でお届けするこのシリーズ。

第3回は、アメリカにおけるエタノール生産の拡大とその背景、についてです。

アメリカにおける燃料用エタノールの生産は1990年代にはすでに始まってました。
90年は9.5億ガロンでしたが、2000年は16.2億ガロンと10年間で1.7倍にも伸びてきました。
しかし2000年代はその比ではありません。2005年には39億ガロン(2000年の2.4倍)、2010年には133億ガロン(2005年の2.7倍)と5年ごとに2倍を超える伸びを続けてきました。

ではなぜこんなに生産拡大してきたのか。
まずガソリン燃料促進剤としてのエタノールの使用があります。これは1990年に改正大気正常化法が成立し、一酸化炭素等の排出を抑制するため、エタノールが使われました。
次にほかの燃料促進剤であるMTBEが2003年に使用禁止となり、エタノールが代わりに使われるようになりました。
そして次は原油価格の上昇です。これによりガソリン代替材としてエタノールが使われるようになりました。
最後に2005年のエネルギー政策法における再生燃料使用義務量の設定、です。
これにより毎年一定量のエタノールを使用することは社会的に義務付けられ、エタノール生産は爆発的に増えました。

次回は、その後の動きについてお話しいたします。

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