税理士法人ユリウス

第12回 貸借対照表から資金繰りを改善する!

14.11.18 | 【連載】会計で会社を強くする!月次決算の活用方法

会社の資金繰り改善を実現するには、短期的には運転資金を削減することが必要です。
そして、長期的には債務返済能力の向上と借入金返済状況がバランスを取ることが重要になってきます。

短期的な課題と長期的な課題を意識して資金繰りを改善しましょう。

1.    運転資金の削減で資金繰りの改善(短期目標)

 運転資金とは現預金から仕入れ、製造による在庫の保有から販売による売上債権の計上、そして売上債権の回収で現預金に戻ってくる一連の流れの中で必要になる資金を指します。

 資金繰り改善には、3つの方法があります。

 一つは、売上債権の回収期間をできるだけ短期にすることです。売掛金をできるだけ早く回収することで、手元資金が増えていきます。
 また、不良債権を作らないことも重要です。取引先企業の企業業績に注意し、不良債権化する前にきちんとしたルールの下で売掛債権を回収するようにしましょう。

 二つ目は、仕入債務の支払期間を延ばす事で手元資金を増やすことです。

 3つ目は、在庫(棚卸商品)を減らすことです。在庫は「現金が棚に収まった状態」です。これを減らすことは、手元現金を増やすことになります。
 在庫は長期になればなるほど管理費など余計な費用も掛かってきます。不要在庫になる前に一刻も早く処分する必要があります。


 以上のように、売上債権の回収を早くすること、仕入債務の支払いを遅くすること、在庫を減らすこと、この3つが短期的な資金を確保する方法です。
 

2.    営業収益から余裕をもって借入金を返済する(長期目標)

 資金繰りが安定していると言えるのは、会社の収益が借入金の返済とバランスがとれている状態を指します。
 つまり、借入金返済の原資となる本業の収益が、借入金の返済を安定的に上回っている必要があります。

 本業の収益としては、(税引き後利益+減価償却費)がそれにあたり、借入金返済の原資となるのです。

 もし本業の収益が借入金返済額を下回ってしまうと、現預金を取り崩すか、新たな借り入れを行う必要があり、要注意状態と言えるでしょう。
 こうした処置は資金繰りを一層苦しくするので、借入金を短期のものから長期のものへシフトするなどして余裕をもった資金繰りを実現する方策を策定していくようにしましょう。

 長期の取り組みとしては、会社の売上アップが基本となります。
 もし、売上アップの見通しが立たないのであれば様々な財務上の指標をチェックしながら無理のない資金繰りへと移行していくようにしましょう。


(お問い合わせ先)
  植田ひでちか税理士事務所
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