SS経営コンサルティンググループ

SS経営コンサルティンググループ
  • HOME
  • 【代表コラム】
  • 決算書にまつわるここだけの話~売上高経常利益率は意味がない!?~

決算書にまつわるここだけの話~売上高経常利益率は意味がない!?~

22.02.28 | 【代表コラム】

寒さもゆるみ、春の訪れが楽しみとなってきた今日この頃、皆様お元気にお過ごしでしょうか?さて、税理士を超えた経営のパートナーであるSS総合会計では、決算書が読めるようになり経営を改善したいとお考えの経営者様のお役に立つべく【決算書】にまつわるコラムをお送りしております。 今回は待望の第3弾!ぜひご覧ください。

《目次》
決算書にまつわるここだけの話
1. 売上高経常利益率は意味がない!?
2. 猫も杓子も売上高経常利益率を重要視する!
3. 業種業態によって様々だ!10%なんて目指せない!

決算書にまつわるここだけの話
1.売上高経常利益率は意味がない!?

決算書を読み解くために最もよく聞く指標は売上高経常利益率です。その際によく言われているのが「売上高経常利益率は10%以上なければ一端な経営をしているとは言えない!」という考え方です。これは本当でしょうか?私は、この考え方は正しくないと考えています。売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合を示したもので、会社の収益性を見る上では重要な指標であります。簡単に言えば「どれだけ儲かるか?」ということを示す指標であると考えてもらえれば結構です。

『意味がないというよりは、業種業態によって様々である』
では、この「売上高経常利益率が10%以上なければならない」という考え方は、本当に正しいのでしょうか。私の考え方では、売上高経常利益率という指標そのものは重要ですが、すべての企業が10%以上にしなければならない、という考え方は正しいとは思えません。なぜなら、この売上高経常利益率は、粗利率(限界利益率)によって様々であり、この粗利率は業種業態によって異なるものなので、正確に言えば目指すべき指標は、業種業態によって違うということだと思います。

2.猫も杓子も売上高経常利益率を重要視する!

『稲盛和夫先生の売上高経常利益率10%説』
ではなぜ、このような売上高経常利益率10%説が出てきたのでしょうか。これはどうやら京セラ、KDDI、JALという3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫先生の影響が多大にあるようです。税理士法人古田土会計 代表社員で公認会計士の古田土満先生は、著書である「会社を潰す社長の財務!勘違い」のP43に以下のように書いております。「稲盛さんは「売上高経常利益率は10%でなければ経営者として失格」と中小企業の経営者を鼓舞し、いろいろな著書でもそう説いています」とし、稲盛さんが10%という理由としては「それは、一般的な製造業の粗利率は50%を前提にしているからです。」といっています。

3.業種業態によって様々だ!10%なんて目指せない!

ということは、この売上高経常利益率10%の適正性は、粗利率50%である製造業にこそ当てはまるが、その他の業種、例えば、飲食業・医者・卸売業・小売業においては、その業種業態の粗利率によって、目指すべき売上高経常利益率は異なってくるということになります。ということは、すべての業種に対して一律に10%を目指すということは無理であるといえるのです。では中小企業において、この適正な収益性を示す指標として何を使うべきなのでしょうか?ポイントは「5つの重要指標」です。

いかがでしたでしょうか。次回の代表コラムでは、中小企業の経営を丸裸にする「5つの重要指標」をお伝えしていきます。どうぞご期待ください!

TOPへ