中谷彰吾税理士事務所

世界の穀物価格の上昇の背景⑥

14.12.05 | 農業関係

2006年以降7年間にもわたり上昇し続けている穀物価格。
その背景と各国への影響について連載方式でお届けするこのシリーズ。

最終回は「日本への影響」です。

農業所得の上昇いう恩恵を受けたアメリカ、欧州と違い、日本は飼料穀物の国内生産が全くありません。そのため穀物価格の高騰は畜産飼料価格の上昇としてまともに影響を受けました。
2010年に発足した水田利活用自給力向上事業は、飼料用米などの新規需要米に全国一律10アール当たり8万円の助成を設定しました。これにより飼料用米の生産は2009年の4100haから2012年には3万4500haへと拡大しました。
今は飼料用米の生産を本格的に拡大するための体制整備が行われている最中です。飼料用米へ転換することにより、肉質がどうなるか、乳の出はどうなるのかなどいろいろ研究されているところです。
今後飼料用米がどのように輸入穀物に取って代わっていくのか、注視する必要がありそうです。

これでこのシリーズを終了させていただきます。
締めとしてはいまいちだったかもしれませんが、畜産業界がこのようにして悲鳴を上げているという事実を知っていただければ幸いです。


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