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税理士事務所が教える!分かりやすい財務分析のやり方と指標の見方について

23.02.01 | 事務所通信

こんにちは、マクシブ総合会計事務所です。

皆さんは「財務分析」という言葉を知っていますか?
聞いたことはあっても、実際にどのように進めていくのか理解している方はとても少ない印象です。

しかし、財務分析は会社の経営戦略の意思決定に繋がりますので、経営者の方々は理解を深めることが大切です。
本日は、財務分析の手法について例を挙げて分かりやすく説明していきます。

財務分析とは



財務分析とは「財務諸表に示されている会計数値を分析して企業の経営状態を把握し、問題点を摘出すること」です。

企業を正しくスムーズに成長させていくためには、現在の経営状態を把握し適切な対策を講じることが大切です。
そこで経営状態の把握や経営課題の洗い出しに財務分析が用いられているのです。

一般的には、企業の収益性、安全性、成長性、成長性を分析します。
以下、それぞれの内容を見て行きましょう。

収益性分析とは

収益性分析とは企業の稼ぐ力、利益を生み出す力を見るための指標です。
収益性分析は(売上高に対する利益割合の指標)(資本に対する利益割合の指標)に大別できます。

売上高に対する利益割合の指標は、売上総利益や営業利益といった「PLの各段階の利益÷売上高」で求められます。
●●利益率は高いほど良い指標ですが、業種や規模によって目安となる平均値が異なりますのでご注意ください。

資本に対する利益割合の指標の代表は、自己資本当期純利益率(ROE)です。
自己資本当期純利益率は以下の計算式で求めます。

自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本(株主資本)×100

この指標は「経営効率の高さ」を表します。
こちらも高いほど良い指標になりますが、やはり業界ごとに平均値が異なります。
10%以上を目安として15%以上ならかなり優秀といえるでしょう。

安全性分析とは

安全性分析とはその企業に支払能力があるか、言い換えれば企業倒産リスクを示す指標です。
企業における安全性とは資金繰りが安定しているかという事です。
企業は黒字だとしても資金繰りが悪化すれば倒産することがあります。また財務内容が悪化すれば資金調達が難しくなり資金繰りが悪化することもあり得ます。

このような資金繰りが悪化するリスクを分析するために安全性分析を行います。
それでは指標をご紹介いたします。

【短期的視点】

流動比率=流動資産÷流動負債×100

→ 
流動比率は短期的な支払い能力を表す指標です。

1年以内に返済する負債に対して同期間で現金化できる資産がどれだけあるかを算出しています。流動比率は高い方が支払能力が高いと言え、財務面の安全性が高いと判断できます。

流動比率が100%を下回ると返済金額を手元資金で賄えない。つまり資金ショートの可能性が懸念されます。

 

現預金月商比率=(現預金+短期有価証券)÷月商

→ 現預金月商比率は手元資金として月商の何か月分を保有しているかを示す指標です。
仮に売上代金が回収できなくとも「手元資金で経費を何か月分支払できるか」の指標とも言い換える事ができます。
中小企業であれば最低でも月商1.5か月分は確保したいところです。


【長期的視点】

自己資本比率=自己資本÷総資産×100

→ 自己資本比率が低いと財務面の安全性が低く倒産リスクが残ります。この指標の目安は少なくとも30%程度と言われています。

 

固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

→ この指標は固定資産を安定資金で賄えているかを知る指標です。

この指標が100%を超えると固定資産の取得を流動負債で資金調達しているという事になるため財務面の安全性が低いと判断されます。100%以下が望ましいでしょう。

【安全性向上のために】
短期的視点では売掛金の回収サイトを早める、在庫を早く現金化するなどが考えられるでしょう。
長期的視点では利益を出し、自己資本を増やすことが大切です。

成長性分析とは

成長性分析とは企業の成長率や今後の可能性を測る指標です。

成長性分析の具体的指標としては、売上高成長率や営業利益成長率、自己資本成長率などがあります。その3つの指標の求め方は以下となります。

①売上高成長率=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100

②営業利益成長率=(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100

③自己資本成長率=(当期末自己資本残高-前期末自己資本残高)÷前期末自己資本残高×100

それぞれ求めた数値がプラスであれば「成長」、マイナスであれば「衰退」を意味しています。これらの指標は一年分で判断するのではなく複数年にわたって推移を把握するようにしましょう。

これらの指標は高い方が望ましいですが、一概に高ければ高いほど良いという訳ではありません。

例えば一年で100%、200%成長という急激な成長は、資金面や人材教育面で問題を起こすかもしれません。急激な売上増加に伴って、借入増加による安定性の低下や在庫管理・債権管理が追いつかないといった問題が起こりがちです。
また人材教育面では社員教育が間に合わず、業務プロセスの混乱などが考えられます。

生産性分析とは

生産性分析とは投入した資源(ヒト・モノ・カネ)がいかに効率的に付加価値を生み出したのかを分析することです。

生産性分析の主な指標としては「労働生産性」「労働分配率」があります。
付加価値の計算式には中小企業庁方式や日銀方式などがありますが、ここでは簡易版として「付加価値≒粗利」としています。
労働生産性とは従業員一人当たりが生み出した付加価値額をみる指標です。

「労働生産性」=付加価値額÷従業員数

→ 一般的には高い方が「一人当たりの稼ぐ能力が高い」ことを意味しますが業界により差がありますので同業他社の数値と比較してください。

労働分配率とは付加価値額の内、どれだけ人件費に費やしているかをみる指標です。

 

「労働分配率」=人件費÷付加価値額×100

→ 例えば労働分配率を高く設定すると、会社の利益を圧迫してしまいます。

理想は、労働分配率を低く抑えつつも、従業員のモチベーションの向上と優秀な人材確保のため、一人当たりの人件費を高めることです。
そのためには、企業はより高い付加価値を生み出し続ける必要があると言えます。

労働分配率に〇%なら良いという指標はありませんので中小企業庁が公表している「企業規模別、労働分配率の推移」を参考にされるとよいでしょう。

参照:中小企業庁HP「企業規模別、労働分配率の推移」


財務分析を通じて、会社経営の正しい将来予測を!


いかがでしたか?今回は4つの財務分析手法をご紹介いたしました。

財務分析から得られた指標から仮説を立てPDCAを回していくことが大切ですが、財務諸表には表れないデータや将来予測などと併せて総合的な判断が必要です。
皆さんも解説した指標を使って、自社が今どのような状態なのか確認してみてください。

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