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湘南ベルマーレ・曺貴裁監督の「利益をもたらすミーティングノウハウ」とは?

15.03.04 | ビジネス【人的資源】

前号に続いて、サッカー湘南ベルマーレの曺貴裁(チョウ・キジェ)監督のミーティングのノウハウをお伝えしよう。
現役時代に柏レイソル、浦和レッズなどでプレーした46歳は、ベルマーレを率いて4年目のシーズンを迎える。

企業のプレゼンに当たるミーティングで、曺監督は選手に独特なアプローチをする。

スポーツの視点からみる人的資源

「監督が独裁的にああしろ、こうしろ、と選手にやらせることも、組織を立ち上げた最初の段階では必要でしょう。しかし、最初から放任で『何をやってもいいよ』というスタンスは、僕からすると指導ではありません」

それでは、指導ではなく指示である。
選手の自主性をはぐくむことはできない。

曺が続ける。

「練習前にみっちりミーティングをやって事細かに説明するのではなく、最初に選手自身にやってもらうことを、僕は大事にしています。監督が『ミーティングで言ったことができてないじゃないか』と声を荒らげるよりも、『こうやってやることもできるよ』と指摘したほうが、頭に入りやすいと思うんです。伝えたいことは同じでも、選手側の温度とか空気を考えて、伝える情報のタイミングと量を変えていくのです」

曺のミーティングには「なぜ、それが必要なのか」という問題提起がある。
「それによってチームにどのような利益をもたらされるか」という理由が明示される。
ミーティングが儀式化されずに、問題意識や課題の共有が進んでいくのだ。

3月7日開幕の2015年J1リーグで、ベルマーレは優勝候補に挙げられるクラブではない。
だが、ピッチに立つ全員がひたむきに走り続けるサッカーは、関係者に高く評価されている。
ベルマーレの戦いぶりと曺の発信する言葉に、ぜひ注目していただきたい。


[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
 
[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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