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「成長性分析」~業績はどの程度伸びていますか?~

15.06.29 | 【会計】

◆成長性分析とは

成長性分析とは、企業の売上高や利益、総資本などがどの程度伸びているかを分析することです。

株主の観点からは利益の成長性が重視されており、利益の成長性は利益の時系列的な推移によって把握されます。

利益が増加傾向にある場合、その原因として「事業規模の拡大」によるケースと、現有規模における「経営合理化」によるケースが考えられます。
「経営合理化」は、低成長期においては利益確保の有効な一手段ではありますが、長期・継続的に利益を増加させるには限界があります。

これに対し、「事業規模の拡大」による利益の増加は継続的な利益の増加を可能なものとします。

そのため、成長性分析では、まず利益のすう勢により成長性を分析し、その利益が事業規模の拡大によるものかを売上高によって分析します。

ここでは、成長性分析の指標として増収率と増益率についてご紹介したいと思います。


◆増収率(売上高増加率)

 (当期売上高-前期売上高)/前期売上高×100
  
当期の売上高を前期の売上高と比較した伸び率のことで、売上高の伸び率でその会社の成長性を判断するものです。
売上高が伸びている場合、市場全体の伸び率と比較して、それが市場の拡大によるものか、シェアの上昇によるものかを把握します。
また、販売単価の上昇等による影響も把握する必要があります。


◆増益率(経常利益増加率)

(当期計上利益-前期経常利益)/前期経常利益×100
  
当期の経常利益を前期の経常利益と比較した伸び率のことで、売上高の伸びと異なり、コスト面なども含んだその会社の実態の動きを反映していると言えます。
ここでは経常利益を使用しましたが、営業利益やその他の利益を使用してその伸びを補完的に見る場合もあります。


◆おわりに
なお、売上高が増加していても利益が減少している場合があります。この場合、競争激化による値下げ等のマイナス要因によるものか、設備投資や人材育成等のプラス要因によるものかといった視点で見ることも必要となってきます。
また、成長性分析においては、企業の技術力、市場開拓力、経営能力、組織や人材、環境への適応能力等の定性的な分析も行って、企業の成長性を総合的に判断することも重要です。

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