雇入れ時に健康診断をしないと違法になるのか?
15.08.07 | 業種別【介護業】
ある介護施設のオーナーから、こんな質問を受けました。
「今度、当施設で新入社員を採用するのですが、雇入れの際には健康診断を受けさせなければならないと聞きました。当社では、毎年1月頃に定期健康診断をしていますので、入社した後に全員まとめて健康診断を受けさせようと思っているのですが、問題ないでしょうか?」
職場での健康診断には、1年以内ごとに実施する一般定期健康診断の他に、雇入れ時の健康診断についても実施を義務づけられています。常時使用する従業員を雇用する場合、その雇入れの直前またはその直後に次の項目の健康診断を行わなければなりません。
◆雇入れ時の健康診断の項目◆
1.既往歴・業務歴の調査
2.自覚症状・他覚症状の有無の検査
3.身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
4.胸部X線検査
5.血圧測定
6.尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
7.貧血検査(赤血球数、血色素量)
8.肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
9.血中脂質検査(総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
10.血糖検査
11.心電図検査
雇入れ時の健康診断は、採用後の健康管理や適性配置についての基礎資料とするために実施するものです。3ヵ月以内に健康診断を受けた従業員が、その証明書を提出した場合は、既に実施した項目は除かれます。
質問の場合ですが、定期健康診断を1月に実施するとなると、雇入れから3ヵ月以上経過していますので、雇入れの直後とは言えず、労働安全衛生法に抵触する恐れがあります。万が一何か起こった場合、事業所の責任になりますので、入社の際に健康診断を実施するか、入社前に本人に健康診断を受診してもらい、その結果を提出してもらうようにしてください。
介護事業最前線
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