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立ち食いで「ワイン」「カキ」「すし」! 老舗すし店が現代のニーズ開拓に大成功

15.09.04 | 業種別【飲食業】

老舗すし店が仕掛ける現代スタイルのすし店『すしまる』。

立ち食いずしに、カキとワインという魅力をプラスし、女性の常連客も獲得する。札を使うオーダーシステムで気軽な注文も可能にし、個食ニーズも掴む。

■このお店が繁盛している理由!

1.カキとワインの現代的な要素で、“立ち食いずし”に女性を呼び込む 

2.コンセプトを表現したインパクトのある外観で、小規模でも凄い存在感

大阪の老舗すし店が、新たなすし業態を開発し、繁華街へ進出。商業施設が多く立ち並ぶ人通りの多い大阪・梅田で、“立ち食いずし”というなじみの業態に、ワインやカキという現代ニーズにアプローチする要素を加えて出店したのが『すしまる』だ。 

単純に“立ち食いずし”では他店との差別化は難しく、しかも飲食店の多い梅田では埋もれてしまう。そこで、経営する株式会社フジオカンパニーは立ち食いずしに「カキ×ワイン」という新たなコンセプトを導入した。

同社はこれまで30代から50代の男性を主要なターゲットにしたすし店を展開してきたが、今回「カキ×ワイン」をテーマにすることで、女性の一人利用の獲得にも成功。しかも、目新しさのあるコンセプトを大きく打ち出したことで、フリー客の注目も集めており、これまで店の前を素通りしていた人も集客している。 

女性客を取り込むため、店舗デザインも細かい点に配慮した。通路側にはカキの殻を吊るし、店内の活気を伝えながら、外からの視線が気にならないよう工夫。オーダースタイルもひと工夫しており、すしのネタが書かれた札を使った独自のものに。スムーズなオーダーを可能にするだけでなく、すしのネタが書かれた札を入れ物に入れるだけのため、会話が苦手な人でも気軽に注文できる。 

さらに「カキ」も、レモンや岩塩といった定番のものだけでなく、サルサソースやウイスキーの「竹鶴」と組み合わせるなど、シーズンごとに異なる味わいを用意。頻繁に訪れても飽きない工夫もポイントだ。ワインも白を主体にしながら、産地にこだわらず月替りで世界各国のものを揃える。しかもワインは、グラス売りで1杯500円、カキは1個200円~とリーズナブルな値段も魅力にし、気軽なちょい呑み利用も促す。飲食店の立ち並ぶ繁華街で、店内は連日お客で賑わっている。


繁盛飲食店のヒット商法最前線 


【記事提供元】 
近代食堂2015年9月号(旭屋出版)

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