近江清秀公認会計士税理士事務所

【子会社を解散する場合の貸倒処理】

15.10.04 | 法人税対策

子会社Cは、長年にわたる営業不振のため親会社Aを中心として
再建のために様々な支援を行っていました。
しかし、債務超過が2億円となったことから、親会社Aの支援を
打ち切り解散することにしました。

解散に当たっては他の債権者及び取引先への影響を配慮する必要
があります。

その場合以下の論点について税務上の論点をご教示ください。

子会社Cは、長年にわたる営業不振のため親会社Aを中心として
再建のために様々な支援を行っていました。
しかし、債務超過が2億円となったことから、親会社Aの支援を
打ち切り解散することにしました。

解散に当たっては他の債権者及び取引先への影響を配慮する必要
があります。

その場合以下の論点について税務上の論点をご教示ください。
(2)子会社Cへの債権の貸倒

法人の有する金銭債権は、債務者が長年に亘り債務超過の状態が
相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと
認められる場合に、債務者に対し書面により明らかにされた
債務免除額は貸倒処理 できます。

なお、貸倒処理可能な回収不能な債権の範囲の判断基準として、
『債務超過の状態が相当の期間継続しながら、他からの融資を
受ける見込みもなく、事業の再興が望めない場合のほか、

債務者に未だ右のような事由が生じていないときでも債務者の
負債および資産状況、事業の性質、事業上の経営手腕および信用、
債権者が採用した取立方法、それに対する債務者の態度等を総合
考慮したとき、事実上債権の回収ができないと認められるような
場合をも含むと解するが相当である』という判決例もあります。

回収可能性の判断に当たっては様々な状況から総合的に判断する
必要がありそうです。

この事例の場合は、基本通達9-6-1に明示された貸倒の判断基準
だけではなく、子会社Cに対する債権の貸倒処理の判定を行うため、
いくつかの固有の論点を整理する必要があります。

(2)-1 親子間取引であることの固有の論点
まず、親会社が子会社再建に向けて損失負担をすることに経済的
合理性があることを以下の様な点に留意手して総合的に判断する
必要があります。

1 損失負担等を受ける者は、「子会社等」に該当するか。
2 子会社等は経営危機に陥っているか(倒産の危機にあるか)。
3 損失負担等を行うことは相当か(支援者にとって相当な理由はあるか)。
4 損失負担等の額(支援額)は合理的であるか(過剰支援になっていないか)。
5 整理・再建管理はなされているか
  (その後の子会社等の立ち直り状況に応じて支援額を見直すことと
   されているか)。
6 損失負担等をする支援者の範囲は相当であるか
  (特定の債権者等が意図的に加わっていないなどの恣意性がないか)。
7 損失負担等の額の割合は合理的であるか
  (特定の債権者だけが不当に負担を重くし又は免れていないか)。

次に、子会社Cに対する債権の貸倒処理に当たっては、
子会社Cが長期間に亘って債務超過であるというだけでは貸倒処理が
できると判定できない場合もあります。

この事例の場合、親会社Aは子会社Cの営業不振を打開すべく
単なる資金繰りの支援にとどまらず、様々な営業上の支援も行ないました。

それらの長期間に亘る支援活動にもかかわらず、金融機関をはじめとする
債権者あるいは取引先への影響を考慮するとグループ企業全体の経営上
の判断からやむを得ず、子会社Cを解散せざるを得ないという
結果に至りました。

これらの事実関係が明らかになって初めて子会社解散にともなう
債権放棄は貸倒損失として認められると考えられます。

例えば、子会社Cがどのような支援策を施しても営業不振から
抜け出せない状況であることが当初から明らかあるにもかかわらず
親会社Aが恣意的に資金援助を継続していたのであれば、

親会社Aから子会社Cへの寄付金と考えられるので
貸倒処理は認められないことになると考えます。

(2)-2 親会社の負担する損失の割合
子会社Cの再建のために様々な支援策を行った場合の損失の
負担割合は『出資状況、経営参加状況、融資状況等の子会社等
と支援者との個々の事業関連性の強弱や支援能力からみて合理的に決定』

する必要があります。合理的な理由もなく、親会社Aのみが損失の全額
を負担するのではなく、親会社Aといえでも他の債権者と同列に
扱われなければなりません。

その際に負担すべき損失の割合の決定方法としては例えばプロラタ方式
があります。プロラタ方式に基づき親会社Aに割り当てられた回収不能額
を貸倒処理することについて異論は無いと考えます。

しかし、親会社Aがプロラタ方式に基づく負担額以上の回収不能額を
負担する場合の処理が問題となります。

プロラタ方式に基づく負担額を超える親会社Aの負担が発生した場合、
単純に子会社Cに対する貸倒と処理することが妥当であるかどうかは
検討する必要があります。

子会社Cを速やかに解散することは、親会社A社を中心としたグループ
企業全体の再建計画の一環であると考えることもできます。

その場合、親会社Aとしては、『優先的に大部分の損失負担をし、
経営責任を果たさなければ一般の取引先の同意が得られず、

再建計画が成立しないため、やむを得ず損失負担をして、
再建を果たそうとする場合』も考えられます。

プロラタの負担額を超えた損失額の税務上の処理については、
子会社Cに対する様々な支援策を必要とした経緯・やむを得ず

子会社C社を解散するに至った経緯・他の債権者及び取引先への
影響等を総合的に考慮したうえで、寄付金として処理するのか
貸倒として処理するのかを決定する必要がありそうです 。

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