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雇用のダイバーシティって何?
16.04.14 | ビジネス【人的資源】
「金太郎飴」をご存知でしょうか。さらし飴を長く長く延ばして、2センチくらいに切ったもので、どこまで切っても金太郎の顔が出てくるのが特徴です。
日本の会社の社員は、若いときから優秀な社員になるよう社内で教育訓練され、たとえKYでもきちんと働けるようになるのが経営者の理想でした。
つまり、「金太郎飴集団」です。
指示されたとおりに働ける代わり、「個性がなく、新しいことに挑戦できないのではないか」「決められたことを効率よく達成するには優れていても、社会の変化やテクノロジーの発展についていくのが遅いのではないか」などと懸念されています。
<アメリカは多様な国>
日本と反対の職場としては、アメリカのシアトルにあるマイクロソフト社が挙げられます。
「理想の環境は大学のキャンパスだ」ということで、研究開発社員は自分で飾り立てられる個室を持つ傍ら、仕事以外のクラブ活動や会合などが奨励されています。働く時間も自由です。ここでは個性を重視して、生産性を高めようとしているのです。
アメリカは、人種が違う人たちや老若男女が共生する社会です。それを強みにしようとしています。
つまり、男女、年齢、身体的能力、民族など多様であって、切磋琢磨するほど、集団が活性化するというのです。
<公正観にも通じる>
生まれや性別、年代にかかわりなく、誰をも等しく受け入れようとするのは、社会の公正観にも通じるところがあります。
収入、職業、婚姻状況、出身地、雇用形態、価値観、親の地位などで人を区別することは、社会的にも認めたくないところです。
もちろん、日本の憲法や労働法でも機会均等をうたっていますが、個別の問題となるとまだまだです。
<多様化のメリット>
日本の中小企業では、案外、多様化が進んでいません。女性の活用が遅れていたり、正規雇用が少なかったり、年齢構成が偏っていたりします。
少子高齢化や国際化によって顧客の多様化が進むとき、経営者も足元の人材の個性発揮や活性化について、考えていきたいものです。
企業成長のための人的資源熟考
[プロフィール]
佐野 陽子(さの・ようこ)
慶應義塾大学名誉教授。1972年慶應義塾大学商学部教授。87年から2年間、日本労務学会代表理事。89年から2年間、慶應義塾大学商学部長・大学院商学研究科委員長。96年東京国際大学商学部教授。2001年から4年間、嘉悦大学学長・経営経済学部教授。主な著書:『はじめての人的資源マネジメント』『企業内労働市場』(ともに有斐閣)。
[記事提供]
(運営:株式会社アックスコンサルティング)
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