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「ここにカラオケはないのかな?」
16.11.01 | 名言・格言~すずらん課長'SELECT
プロ野球のヤクルト・西武で監督をした広岡達郎さんの言葉。
1983年。当時西武ライオンズの監督をしていた広岡氏。
この年、日本シリーズで巨人と対戦しました。
西武の本拠地「所沢球場」でスタートした日本シリーズ。
所沢で1勝1敗。場所を巨人の本拠地「後楽園球場」に移して1勝2敗。
王手をかけられて、第5戦が終了。
試合後、宿舎に戻って全体ミーティングを実施するため、大広間に集まったところ、まるでお通夜のような暗い雰囲気だったそうです。
で、皆の前に立った広岡監督が、つぶやくように冒頭の言葉を発しました。
広岡監督は管理野球を標榜し、冷静沈着の厳しい監督で有名でした。
その監督の思いもよらぬ一言で、笑い声がでるなど場の空気が和んだそうです。
ここで、西武が巨人に勝てる要素を説明します。
・後楽園は熱狂的な巨人ファンで占拠される異常なムードなので、1勝2敗は想定内。
・1戦、4戦と相手エースの江川投手を攻略したので、彼は西武に通用しない。
・2戦、5戦とこちらを抑えた西本投手が7戦に登板したとしても、ローテーションを変更した苦肉の策なので恐れる必要はない。
・逆にこちらの1戦、4戦と投げたエース松沼を巨人は攻略していないので、ローテーション通り7戦で起用できるから、こちらの思惑通りに事が進んでいる。
この理路整然とした監督の説明を受け、選手たちは意気が上がり、6・7戦と勝利して巨人
を倒して見事に日本一となりました。
どんなに素晴らしい理屈・理論であっても、聞く側に届かない場合があります。
追い詰められているとき、落ち込んでいるときなど、精神面が不安定な時など聞く余裕がなくなる訳です。
冒頭の言葉で場が和まなければ、監督の説明が選手に届かなかったのではないでしょうか。
広岡氏は、狙って発した言葉では無かったと後年述懐していますが。
伝えたいことがある時、その場の雰囲気が相応しいものであるかを気にかけたいものです。
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