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「死後事務委任契約」って何?
16.11.04 | 業種別【不動産業(相続)】
少し前に「終活」という言葉がはやりました。
「終活」とは、死後遺された家族に負担がかからないように、自分自身を見つめ直しながら生前のうちから葬儀などの事前準備することを指します。
「終活」の1つとして挙げられるのが「死後事務委任契約」です。
以前は弁護士や司法書士などの専門家しか「死後事務委任契約」という言葉は使いませんでしたが、最近では一般の人も使うようになってきました。
死後事務委任契約とは、葬儀や埋葬、死後に関する諸手続きに関する事務を委託する契約を指します。
この委託を受けた者が、委任者の死後に各種事務手続きを行います。
死後事務委任契約は、次のような方が利用するケースが多いです。
・自分が死亡した後、親族に煩雑な相続手続きをさせたくない
・親族が遠方に住んでいる
・親族がいない
・親族と疎遠
・葬儀方法などを自分の希望通りにしてもらいたい
「自分が死んだ後は別にどうなっても関係ないや」と考えている人は少なく、事前にできることはやっておきたいという思いを持っている方が多いことが、死後事務委任契約のニーズの高まりを後押ししています。
死後事務を委託された人は、具体的に次の手続き等を行います。
・役所への死亡届の提出
・遺品の整理
・自宅の明け渡しや処分
・葬儀、埋葬、永代供養に関する手続き
・年金に関する手続き
・電気、水道、ガスに関する手続き
・親族や友人への通知
たくさんの手続きがあり、上記以外にもSNSアカウントの抹消など、細かいことまで委託できます。
遺言書を作成する場合と同様に、一人ひとりの状況に合わせて、委任契約の内容を決められます。
死後事務委任契約をする際、最も重要なのが「誰に」お願いするかです。
受任者として預かった団体が、多額の預託金を他に流用して破たんしたというニュースもあります。
お願いする相手には制限がなく、誰と契約してもよいのですが、できれば弁護士や司法書士など、ある程度信頼性が担保されている専門家のほうが安心です。
死後事務委任契約は、遺言書ほど浸透していません。
しかし、死後事務委任契約書があることで、煩雑な手続きで遺された家族を煩わせなくて済み、遺言書で伝えきれない遺志も伝えられるので、遺言書とセットで作成する人もいます。
相続対策の選択肢の一つとして覚えておいて損はないでしょう。
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