国税データで指導強化!厚生年金未加入問題
14.08.19 | 【社会保険・労務】
政府は、厚生年金保険の加入逃れを防ぐため、国税庁が持つ企業の納付データを年金機構に提供することで、約80万社といわれる未加入企業を割り出し、 加入指導を強化することを決めました。
◆厚生年金未加入問題とは?
厚生年金は、正社員や一定以上の労働時間・労働日数(正社員の概ね4分の3以上)を勤務するパート・アルバイトが強制加入となり、企業は加入を義務付けられています。
しかし、現状として厚生年金保険料の負担を逃れようとその手続きをしない企業があり、そういった未加入企業の存在が年金制度への不満や不信感につながり、制度根幹の問題となっています。
◆厚生年金加入逃れの防止
政府は、厚生年金保険の加入逃れを防ぐため、国税庁が持つ企業の納付データから、約80万社といわれる未加入企業を割り出し、加入指導を強化することを決めました。
年金機構は来年度にも指導強化に着手し、数年で全企業が厚生年金に加入することを目指すとしています。
具体的には、文書や電話で加入を要請し、応じなければ訪問での加入要請、訪問での加入指導等を実施し、最終的には立ち入り検査により強制的に加入となることもあるようです。
◆今までの加入指導とどこが違うのか?
なんといっても今回のポイントは「国税庁が保有するデータを使って、未加入企業を特定する」ということでしょう。
これまでも年金機構は、登記されている約449万社の中から未加入企業の特定や指導を進めていましたが、ペーパーカンパニーや倒産会社、休眠会社も多くあることから、特定作業は十分な効果を上げられずにいました。
そこで、未加入企業を特定するため、所得税を源泉徴収している企業に関する国税庁のデータとして、約250万社の名称と所在地、給与支給人員などを年金機構に提供するとのことです。
年金機構は実際に厚生年金を納めている約170万の企業のデータと照合し、税金は払っているが年金保険料を払っていない企業を特定し、年金加入を強く指導していくとしています。
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