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経営者が押さえておくべき決算書のポイント

20.04.01 | 【税務】

忙しくて会社の決算書を経理担当者や税理士に任せっきりにしている経営者は多いかもしれません。しかし節税や融資など、会社の経営に関わる重要な事柄を決断するための材料として決算書は重要です。そこで今回は、経営者が押さえておくべき決算書のポイントを解説します。

<決算書のなかでも重要な『財務三表』とは?>

決算書のなかで重要なのが『貸借対照表』『損益計算書』『キャッシュフロー計算書』の『財務三表』と呼ばれる書類です。それぞれの内容を見ていきましょう。

・貸借対照表(B/S) 貸借対照表はバランスシートとも呼ばれ、期末時点での企業の財政状態を数値化してまとめたものです。 左側を資産、右側を負債と純資産に分けて記載します。その際、資産=負債+純資産が一致するように設計されています。 この表を見れば、企業がどれだけのお金などの資産(預金、固定資産等含む)があり、それをどのように調達したのか(負債・資本)が分かります。

・損益計算書(P/L) 損益計算書には、収益・費用・利益を記載します。会計期間内の売上額や経費がどれくらいあったのか、結果的に利益がどれくらい出たのかを把握できます。 一定期間(会計期間)の企業の事業による利益、事業外の利益を把握できるほか、その年に課税される法人税をある程度試算することも可能です。

・キャッシュフロー計算書(C/F) キャッシュフロー計算書(C/F)とは、会計期間内にどれだけキャッシュインおよび、キャッシュアウトしたのかを数値化したものになります。 キャッシュフロー計算書を確認することにより、期首時にあったキャッシュが期末時にどれだけ増減したかが見え、その要因も確認することができます。想定外のキャッシュアウトがあった場合には、翌期に同じことが起きないように対策を練る必要があります。

<決算書が読めることで何がわかるのか?>

経営者が決算書を読むことの重要性はいろいろなところで指摘されていますが、決算書が読めないことで、さまざまなデメリットを被るおそれがあります。

まず、企業が融資を受けるときには、原則として3期分の決算書の提出が求められます。そして、この決算書をもとに経営者と面談を行うことがあるのです。金融機関は自己資本率や売上の推移など多くのことをチェックして融資を決定していきますが、経営者が決算書を読めなければ、金融機関との面談のときに場当たり的な回答になってしまい、融資にマイナスに働きます。 また、利益だけ見れば大きな黒字が出ているのに、預貯金や現金の残高はほとんどないという場合、黒字倒産する危険性もあります。決算書を読み込むことができれば多角的に経営状況を確認することができるため、経営危機にもいち早く気づくことが可能になるでしょう。 決算書をよく読まなかったせいで起こる失敗例に、期末直前に思ったよりも納税額が高いことが発覚する場合があります。納税対策として課税対象を減らせば、そのぶん納税額も減ります。しかし、そのために予定外の高額の設備投資を行ったり、経営者が特に必要のない生命保険に加入したりしてキャッシュフローを圧迫すれば、将来的な融資にも悪影響を及ぼす可能性が出てくるのです。こうした失敗は、会計業務を経理担当者や税理士に任せっぱなしにしておくことで起こりやすくなります。

計画的な経営のためにも経営者は決算書を読めるようにしておき、決算時だけではなく定期的に財務三表を確認しておきたいところです。

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