大阪プライム法律事務所

大阪プライム法律事務所

改正NPO法が施行

21.06.01 | 非営利・公益

令和2年12月2日に、特定非営利活動促進法の一部改正法が成立し、令和3年6月9日から施行されることとなりました。
改正の要点は、次の3点です。
①  縦覧期間の短縮
②  公表等の対象から住所を除外
③  認定NPO法人・特例認定NPO法人の提出書類削減
これでこれから設立認証をする法人だけではなく、すでに長年活動しているNPO法人の関係者の方々にとって、より活用しやすい法人制度になったものと思います。
以下、詳しくご説明します。

 ■縦覧期間の短縮
①法人の新設(設立)認証、認証が必要な定款変更の認証、合併の認証などの際には、市民の縦覧に応えるために、これまでは縦覧期間として1か月間とされてきましたが、その期間が短縮され、これを「2週間」と半分となります。(10 条 2 項)
②所轄庁は、遅滞なく、縦覧事項をインターネットの利用等により公表します。(10条2 項)
③この公表は、所轄庁による認証・不認証の決定までの間、行います。(10条3項)
④申請書や添付書類に不備がある場合の補正期間が、「2週間」から「1週間」に短縮されます。(10条4項)
この縦覧の手続きは所轄庁が行うものなので、法人側では特段の手続きが必要になるものではありませんが、これによって、上記の認証手続きにかかる全体的な期間が短縮され、すべてが迅速になります。 

なお、この改正により、令和3年5月24日から6月8日に受理した申請については、令和3年6月9日以降に受理した申請よりも縦覧期間が長くなる場合が生じうるので注意が必要です。 

■公表等の対象から住所を除外
以下の書類において個人の住所・居所の記載部分は公表等の対象から除くこととなります。
これによって、自宅などの住所が公開されることからのプライバシー不安から免れることとなります。
①設立認証の申請があった場合に所轄庁が公表・縦覧させる「役員名簿」。(10条2 項)
②請求があった場合に認定NPO法人・特例認定NPO法人が閲覧させる「役員名簿」・「社員名簿」(45 条 1 項 5 号、52 条 5 項)
③請求があった場合に所轄庁が閲覧・謄写させる「役員名簿」・「社員名簿」(30条)
ただし、社員その他の利害関係人から請求があった場合に法人が閲覧させる「役員名簿」・「社員名簿」については、今回の法改正には含まれていない(住所も閲覧対象となる)ので注意が必要です。(28条3項) 

■認定NPO法人・特例認定NPO法人の提出書類削減(事務負担の軽減)
①「資産の譲渡等に係る事業の料金、条件その他その内容に関する事項」を記載した書類については、所轄庁への提出を不要となります。(55 条 1 項前段)(注意: 引き続き、「書類の作成」・「事務所への備置き」・「事務所における閲覧」については必要です。)
②「役員報酬規程」・「職員給与規程」について、既に提出されているものから内容に変更がない場合には、毎事業年度の提出が不要になります。(55 条 1 項後段)
③役員等に対する報酬の状況を記載した書類については、毎事業年度の提出が必要となります。(法施行規則改正) 

TOPへ