響き税理士法人

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リスティング広告と短期前払費用

16.09.07 | 【税務】

集客効果があると言われるリスティング広告。

決算月に翌期以降の広告宣伝費を支払った場合、今期の費用として計上できるのでしょうか?

翌期1年分の契約の場合には、「短期前払費用」として計上したいところです。

「短期前払費用」は、法人税の基本通達で下記のように定められています。(基通2-2-14)

①一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用であること
②1年以内に提供を受ける役務に係るものであること
③継続して全額を支払った時に損金計上すること


つまり、支払った時に前払分の全額を経費に落とせるということになります。

短期前払費用の具体例としては、以下のような費用があります。
 地代家賃
 賃借料
 生命保険料
 損害保険料
 倒産防止共済掛金
 中退共掛金


一方、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価の額は、短期前払費用には該当せず、前払金として資産計上しなければなりません。

したがって、支払った時に経費には落とせず、対応する期に経費計上するということになります。

たとえば、以下は短期前払費用になりません。
 前払給与
 翌期に放映されるテレビCM放映料
 新聞の年間購読料
 

さて、インターネットのポータルサイトにおけるリスティング広告費は、クリックするごとに課金されるシステムです。
したがって、毎月の費用が確定した時に費用計上する必要があります。

そのほかにも、広告文の作成やキーワードの登録などのために支払う初期費用は、完了してアップロードされた時に費用計上することになります。

リスティング広告に係る前払いの支出については、前払金に計上し、契約に基づき個々のサービスが完了した時に損金経理するといいでしょう。


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