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変貌するドクターズブランド

14.07.06 |

医業の傍ら、副業として「ドクターズコスメ」や
「ドクターズサプリ」の開発や販売を考えておられる
ドクターもおられると思います。

マスコミに登場し、華やかに自院の製品を
紹介している医師もいますので、
先生方の中には「ドクターズブランドを出すと、
マスコミに注目されて地域での知名度が上昇し、
クリニック経営にもプラスになる」と考える方も
いらっしゃるかもしれません。
(実はそのあたり、かなり誤解されているのですが、
それについてはまた後日…)

選ばれるクリニックへのナビゲーション

そもそもこの「ドクターズブランド」は、
医師の監修のもとで開発された製品をいいます。
元来は医師が自分の患者用に処方したもの。

例えばドクターズコスメの発祥は、
米国のホームドクターが、
皮膚の治療を必要とする患者さんに肌質に合わせた
スキンケア化粧品を処方したのが始まりとされています。

日本では、ニキビやアトピー性皮膚炎、
ひどい乾皮症などの患者さんに医師が
クリームを処方したことがその端緒。
医師が自院の患者さんに試してもらいながら
改良を加えていく開発スタイルがスタンダードなものでした。

医師にとっては、成分を把握できているので
患者さんに安心して勧められ、何かトラブルが起こっても
原因をつきとめやすいというメリットもあったのです。

しかし現在では、一口にドクターズブランドといっても
さまざまなタイプが見られるようになりました。
古典的なドクターズブランド、即ち医師が自分のクリニックだけで
販売するために個人的に開発されたものだけでなく、
化粧品メーカー、製薬メーカー、医療用品メーカーらが
主導して開発するケースもあります。

メーカーにとっては「ドクターズ」のイメージは、
製品への信頼性を醸し出す魅力的なフレーズであり、
そこにマーケティング的な価値を見出したメーカーが
こぞってドクターズブランドを開発し始めました。
「ドクター○○○○」というブランド名で大々的に
通信販売を行っている化粧品もありますね。

ドクターズブランドの実態が変貌しつつあるなか、
医師はどのようなかかわり方が望ましいのか。

次回は、最近ちょっと気になる傾向を紹介し、
医師が留意すべきことについて、私見を述べてみたいと思います。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
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自主運営サイト「女性のための乳がん情報サイトCandle Room」  
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