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身近に潜む相続問題 知っておきたい『遺留分』『遺言書』のこと。

17.11.10 |

日本公証人連合会の発表によると、遺言公正証書の作成件数は年々増加し、昨年1年間で10万件に達しました。

家庭裁判所における遺言書の検認件数も年々増加傾向にあります。
遺言書があれば、相続トラブルを防ぐことにつながります。

その一方で、遺言書に「すべての遺産を長男に与える」と書かれていて、トラブルの火種となる、なんてケースも、よくある話です。
遺言書の内容に納得できない時、どうしたらよいでしょうか。

遺留分と、その請求方法とは? 

相続人に最低限保障された取り分のことを、“遺留分”といいます。

しかし、相続人であれば誰でも遺留分を主張できるわけではありません。
亡くなった方の配偶者、子、親、などの相続人には、遺留分を主張する権利がありますが、兄弟姉妹は、遺留分を主張することが出来ません。 

遺留分の割合は、直系尊属だけの場合は遺産の3分の1、それ以外の場合は遺産の2分の1となります。
遺留分を有する相続人が複数人いる場合は、遺留分の割合に、法定相続分の割合をかけます。 

遺留分を請求する権利のことを“遺留分減殺請求”と言います。
この方法は、『遺留分減殺請求をする』という意思表示を、遺贈や贈与を受けた相手にするだけです。
後々のトラブルを防ぐために、内容証明郵便で送りましょう。
遺留分減殺請求をしても、相手方から遺留分を取り戻せない場合、調停や裁判手続をすることになります。 


遺言書に納得できない、そんな場合は? 

もしくは、遺言書の効力の有無を争うという方法もあります。

遺言書は、種類ごとに方式が決まっています。
遺言書の方式の要件が1つでも欠けていれば、その遺言は無効になる可能性があります。

『自筆証書遺言』の場合は、すべて自筆で書いていなければなりません。
パソコンで作成している、他人が代筆しているといった場合は、無効になります。 
また、遺言書を作成するためには、その内容と結果を理解する能力(これを“意思能力”といいます)が必要です。
たとえば、遺言者が認知症を患っており、正常な判断能力を欠いた状態で作成された遺言書は、無効になります。

遺言書の方式が守られていない遺言者の意思能力に疑いが生じているなどの場合には、遺言無効確認の訴訟を提起して遺言書の効力を争う余地があります。

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