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これだけは知っておきたい!株主間の契約のみでは足りない、株式譲渡の制限方法!

17.12.01 |

通常、同じ志を持つ仲間が集まって株式会社を設立したとき、主な株式は起業メンバーが保有し、許可なく譲渡・売却しないという契約を締結します。

しかし、原則として株式は自由に譲渡できるものです。
そのため起業メンバーが何らかの理由で株式を他者に譲渡した場合、契約違反にはなるものの譲渡自体は有効です。
また、株主が亡くなると相続人がその株式を所有することになります。

このような事態を避けるために、株式譲渡の制限に関しては定款でしっかりと定めておく必要があります。

少数の株主で経営している会社の場合、株式の譲渡によって会社の方針と異なる意見を持つ人物が経営に関わると、さまざまな問題が起きる可能性があります。 
そこで、会社法では株式の一部(またはすべて)に対して、“譲渡の際は会社の承認が必要”という制限を定款に設けることを認めています。
これを“譲渡制限株式”といいます。 

承認機関は原則として、取締役会を設置している会社は取締役会、取締役会を設置していない会社は株主総会となります。 
ただし、定款で定めれば別の承認機関を設けることも可能です。 

譲渡制限株式の譲渡承認手続きは、下記の流れで行われます。 

株主が会社に対して“譲渡承認請求”を行います。 
譲渡承認請求を受けた会社は、承認機関で検討し、2週間以内に決定内容を株主に通知する必要があります。 
承認請求から2週間以内に通知をしなかった場合は、譲渡を承認したものとみなされます。 
会社が譲渡を承認しないときは、会社または会社が指定する買取人が、その譲渡制限株式を買取ります。
その際は株主総会の決議が必要です。 
株式の売買代金について、当事者間でまとまらない場合は、裁判所に対して売買価格の決定の申し立てを行います。 

また、株主の死亡により、好ましくない人物に株式が相続されることを防ぐため、「相続などによって譲渡制限株式の株主になった人物に対し、その株式を会社に売渡すように請求することができる」という旨の規定を定款に設けることも可能です。 

相続人に対する売渡請求を定款で定めた場合、会社が売渡請求を行うためには、株主総会の特別決議が必要です。 
また、売渡しを請求できるのは「株式が承継されたことを知った日から1年以内」という制限があります。 

このように、会社法には会社側が株式譲渡を制限し、経営方針を守るためのルールが存在しています。 
ただし、手続きや期限を把握していなければ、有効に活用することができません。 

改めて自社の定款を見直すとともに、弁護士などの専門家に相談してみましょう。 

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