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生き残るためのオムニ戦略(2)…顧客情報の再確認

16.05.06 |

いま小売業界では、「オムニチャネル」といった言葉をよく耳にします。

オムニとは「全…」とか「総…」という意味を表す言葉で、これまでの“マルチチャネル(複数の経路)”という考えではなく、より複合的な“オムニチャネル(あらゆる経路)”において顧客にアクセスする、という考え方です。

これは歯科診療所も同様です。

オムニチャネルと似たもので「O2O(Online to Offline)」というものがあります。これは、例えばネットでクーポンやポイントを付与して実店舗に誘導を図るといった新規顧客の開拓を目指す方法でした。 

しかし、いまローソンや丸善などが取り組んでいるオムニチャネルは、新規顧客の開拓だけを目指すものではありません。

販売・流通・店舗等が保有するそれぞれの情報を統合することで、店舗で得た顧客の嗜好を基にメルマガで商品提案を行ったり、ECサイト等の利用で貯まったポイントを店舗で利用できるようにするといった、既存顧客を逃さず、さらに客単価を上げることが目的となっています。 

これらの変化から、O2Oが目指す短期的な新規顧客開拓ではなく、オムニチャネルが目指す中長期的な既存顧客の囲い込みと客単価の向上の方が、人口が減少していく時代のニーズにマッチすると判断されていることが見て取れます。 

<歯科診療所のオムニ戦略> 

「新規顧客開拓から既存顧客の囲い込みへ」。この流れは歯科診療所にとっても同様と推測できます。

しかし、歯科診療所と小売業とでは顧客との関わり方が異なり、莫大な費用をかけてまでシステムを構築することはできません。 

情報を統合することで既存顧客を囲い込むというオムニチャネルの発想を参考にしながら、歯科診療所には歯科診療所にふさわしいオムニ戦略を考えていく必要があります。 

そもそも、院内にはどのくらい顧客情報があるのでしょうか。

顧客情報は、何も診療記録に書かれたものだけとは限りません。

アンケートへの記入やスタッフとの会話といった、さまざまなルートで顧客情報は蓄積されているはずです。

これらの情報がどういった形で共有されているか、または共有されていないのか。そこから見直してみることをお勧めします。それが歯科診療所にとってのオムニ戦略の第一歩なのです。 


クリニック経営、次の一手 


[プロフィール] 
フォーユーメディカル株式会社 アットベネフィット事業部(大城正和・町山卓)
同事業部では、医療・介護従事者のための福利厚生サービス「@Benefit」として、歯科医院スタッフにも大企業社員並みの福利厚生をさらに医療・介護分野だけの特別プログラムをプラスして提供しています。 
@Benefit(アットベネフィット)
営業スタッフは、医療介護福祉事業に特化した採用・求人から教育・評価までをサポートする人材戦略コンサルタントとしても活躍中。


[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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