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介護スタッフに必要なコミュニケーション能力(1)

16.05.06 |

介護職にはコミュニケーション能力が必要と言われています。

もちろん、介護の専門的な知識や技術は重要ですが、介護の本質は「利用者」である「人」とより生活に近いところで接するところにあります。

より良いサービスを提供するためには「利用者」や「家族」とうまくコミュニケーションを取ることができる力が必要となるのです。

「利用者」とのコミュニケーションで一番大切な点は、「何を望んでいるのか」を理解することです。「利用者」と「家族」の意見は必ずしも一致するわけではありません。

家族から「このように世話してください」と言われたことが、利用者には苦痛になってしまっていたり、イライラの原因になってしまうことがあります。

また、なかなか本心を言い出せず、スタッフや周囲に遠慮して気を病んでしまう方もいます。 

そのような利用者が本当に「求めていること」「望んでいること」を引き出すために一番大切なのは、話を「聴く力(傾聴力)」です。 

この「聴く」というのは、「利用者」の話を単純に表面上の音として聞くのではなく、「利用者」の立場に立って、「本当に望んでいることは何なのか?」を意識して聴き取ることです。

また、言葉に現れていない「気持ち」を聴き取ることも必要です。それは、利用者の「表情」や「反応」に注意して聴くことにより、隠された「気持ち」が理解できるようになるのです。 

仕事に慌ただしく追われている介護現場では、ゆっくり傾聴している時間はないと言う方も多いでしょう。

しかし、利用者とのコミュニケーションを上手に行うことができていれば、忙しい中でも「ちゃんと自分と向き合って聴いてもらっている」と感じてもらうことはできるのではないでしょうか。 

次に家族とのコミュニケーションも大切です。

介護スタッフと家族とのトラブルは非常に多く、利用者からのクレーム対応や介護事故での対応のまずさから、家族に不信感を与えてしまい、大きなトラブルへと発展するケースが目立っています。 

利用者の場合と同じく、家族に対しても十分に傾聴した上で「家族が望んでいること」を理解しましょう。

クレームやトラブルについてごまかしたり、言い訳をしたり、自分の言い分を押しつけたりするのではなく、家族の立場に立って今後の対策を真剣に検討しなければなりません。

トラブルの原因が施設やスタッフにあったのであれば、クレーム等の原因がどこにあったのかを確かめ、正式に謝罪しましょう。

そして、介護施設としてどのように対応していくのかを説明した上で「家族」に納得してもらう必要があります。 

このコミュニケーション能力は誰にでも十分に備わっているわけではありません。

しかし、社内研修やミーティングを繰り返すことで、「意識づけ」を行うことはできます。

まずは「利用者」「家族」の立場を意識した「話し方」や「笑顔」から始めてみてはいかがでしょう。 


介護事業最前線 


[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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