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手間と時間をかけずに保険会社の診断書を処理するには?

16.11.04 |

保険会社に提出する診断書の作成を、患者さんから依頼された経験はありますか? 

先生方のお話を伺っていると、保険会社が指定する診断書の書式は記入箇所が多く、意外に手間と時間を取られ、困惑してしまう方が少なくないようです。

今回は診断書を効率的に作成する方法をご紹介します。

「発病時期・発病原因が不明の場合、なんと書けばいいのか?」

「病名告知日や説明内容などはカルテをたどらないと書けない」

「初診日、終診日、病名告知日、病理診断確定日など、項目が細か過ぎる。ここまでの情報提供が必要か?」

以上の理由で記載に時間がかかったり、診断書の項目や記入欄を空欄で済ませてしまったりした経験はありませんか? 

保険会社の方によれば、診断書の書き方にはコツがあるそうです。 

まず、発病時期・発病原因が不明なのに、記入欄に「不明」の選択肢がない場合です。

どう書けばよいのかを迷ったあげく、空欄にしてしまうと「書き忘れではないか」と保険会社に判断され、再記入を依頼されることがあります。

「不明」という選択肢がないのであれば、「不明」と直接書き込んだほうがよいそうです。

「不明」と記載があれば、再記入を依頼される二度手間が避けられます。 

また、「病名告知日・告知内容」「病理診断確定日」「前医・紹介医の有無」「後医」「転帰」といった項目も、空欄で提出される先生方が多いそうです。

あるドクターは「診療経過はすぐに書けるが、正確な日付や前医や転帰などはカルテをたどるのが面倒なこともある」と、頭をかいていました。 

保険会社にとっては、「初診日はいつか」「いつ病名を告知したのか」「病理検査で診断が確定した日」など「日付」が極めて重要な情報です。

日付と契約内容を照らし合わせて、保険金の支払いの可否を決定することになるからです。

前医、後医、転帰といった情報も、患者さんの診療経過をたどるための必須項目となります。 

「病理診断が行われていない」など、該当情報がなければ空欄のままで大丈夫です。

しかし、必須項目が空欄の場合、本当に該当情報がないのかどうかを確認するため、改めて保険会社から医師に面談を申し込まなければならなくなることもあるとのこと。

せっかく時間をかけて診断書を書いたのに、空欄があったために再び時間を取られたり、患者さんに保険金が支払われるまでに、余計な時間がかかったりするのは非効率です。 

ポイントとしては次の2点です。 

・発病時期・発病原因でわからないことは直接「不明」と記入する 
・初診日、病名告知日、病理診断確定日に該当する日付、前医、後医、転帰を空欄にしない 

これだけでも、後々の二度手間を避けられる確率が高まります。


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[プロフィール] 
藤原恵子(ふじわら・けいこ) 
医療系出版社の編集記者を経て独立。フリーの医療ライターとして、病院経営、開業ノウハウ、医療マーケティング、医療ボランティア、医療職のキャリアアップや結婚事情などをテーマに医療関連雑誌で取材・執筆活動を行う。書籍では、病院ランキングや医療マンガの取材協力、看護・介護関連書籍では『イラストでわかる高齢者のからだと病気』(中央法規出版)の企画・編集に携わる。趣味は人の話を聞くこと、古文書解読。 
 


[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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