日高税務会計事務所

改善・改良を続けると大きく成長する!?

17.01.16 | 所長メルマガ

最初は小さな差であったがコツコツと努力を続けると大きな差となり、やがて誰もが認める有名人となった と言うような話を聞いたことがあるでしょう。これは継続した努力の大切さを説いているものです。しかし、散歩の延長で富士山に登ってしまった人はいないし、DIYが得意で自宅を自分で建てた人が増改築を繰り返しているうちに地域で一番の高層住宅を完成させることもない。レベルが上がれば当然努力する対象も変わってくるものであり、難しくなる。ある程度進んだところで対応出来なくなり、そこで諦めると成長は止まってしまう。

会社で提案活動を奨励しているところも多いが、これは社員の基礎力を上げるトレーニングであったり、社内コミュニケーションを良くするため、あるいはモチベーションアップの性質が強い。ひょうたんからコマのように希に大きな利益に繋がることもあるが、大抵は組織の怠惰と現状維持圧力からやるべきことをやっていなかったことが露呈し、それを改善すれば結果として成果があがるものだと思う。ところで、数パーセントの改善・改良よりむしろ数十パーセント向上を目指した方がうまくいくと言う名経営者がいる。理由は現状の延長からの視点では大きな変化は期待出来ない、全く新しい視点から新しいものが見えてくる。そのため、敢えて難しものに挑戦することが必要だとか。つまり経営者や部門の責任者は、現場の社員と違った視点が要求されているのである。今後の経済状況、技術の向上、ライバルの動向、中長期計画に基づく戦略など様々な要素を考えて、計画案から選択し、実行させなければならない。ところで改善、改革の提案は、全て経営者や責任者自らが考えなければならないものでは無い。視野が広いから一般社員よりレベルの高いものが多く出るのは当然である。時々、現場のことは現場が一番分かっているので任せていると言う経営者や管理職がいる。そうすると、固定概念のない新人や非正規労働者の優れた提案などは上がってこないことが多い。特に、大掛かりなシステムの変更や資金が必要なものなどは、権限の無いものの発案では妄想扱いとなる。また、ベテラン社員からすれば、経験やノウハウが必要と無くなる提案など会社にとっては必要かも知れないが敢えて出さないし、上から打診しても何らかの理由を付けて抵抗することもある。つまり、現場は慣れた今のやり方を、あるいはゆっくりとした改善を望むものである。効率と効果の面で考えれば効率を重視し、経営戦術・戦闘あるいは手段を重視する。だから、現場任せでは、摩擦や不具合が生じる可能性があるような大きな改革は行われないものです。これに対し、経営者側は、会社の存亡かけて早急に外部環境の変化に対応する必要がある。改善・改良などは現場に任せ、改革に取り組むことです。効率より効果を重視し、経営戦略や目的を重視するものです。大きな改革は社内の抵抗も大きく、また資金の必要となるので、責任が取れる者しか実施出来ません。中小零細企業では社長かそれに近い者だけです。
 結論として、改善・改良は社員の基礎力、現場力を向上させるために必要であり、一定の効果をあげる。しかし、経営者はより高い次元で改革を行わなければならない、改革には内部からの抵抗もある。だからこそトップ(あるいはその後継者など)が責任をもって推進して行かなければならない。

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