日高税務会計事務所

プラス視点は良くマイナス視点は良くない!?

17.05.15 | 所長メルマガ

プラス思考とマイナス思考、あるいは積極(ポジティブ)思考と消極(ネガティブ)思考、加点評価と減点評価など 考え方や評価で対立する物差しを人は持っている。自由に使い分けることが望ましいが、多くは偏っていて、その原因は後天的な繰り返しによる学習で獲得されてきたものである。だから簡単に変更出来ない。気を抜けばいつも通りである。

最初に対象を「自分」に限るとしよう。プラスが強いと前向きで良いように思われる。しかし楽観的過ぎたり、自己中だったりの弊害もある。他人からすれば自慢と感じられる言動が多いかもしれない。実力以上のことに挑戦し周囲を困惑させることもある。自分が正しいと主張することにより対立の原因となることもある。逆にマイナスが強いと自信が無いから消極的となり、新しいコトに挑戦することは少なく、慣れたことしかやらない。マイナス状態が病的になれば鬱状態である。だが、堅実で慎重だったり、無駄な対立を避けるなどのメリットもある。人は一日の中でも気分が変化するもの。しかし、論理的思考や視点は気分に大きく変動しない。だからこそ、意識して変化させることで人間としての幅が出てくる。ただし、ここで言う変化させるとは、「落ち込んだときには前向きに考えよう」とか 「最近、調子が良すぎるので慎重に」など、誰もが自然に行なっているものでは無く、普段何も考えずに普通に行うことを意識的にいつもの違う視点・思考で考え行動することです。
 次に「他者(自分以外のもの)」を対象としよう。他者に対しては、圧倒的にマイナス視点が多い。これは、生物が過酷な自然環境や生存競争から生き延びるため本能的に危険や嫌いなものを察知する本能によると説明される。だから他人の良いところは見えず、悪いところが一杯目に付くのは不自然でない。また、仲間内で他人の悪口やダメ出しするのは盛り上がったり、一体感が生まれたりする利点も有るが、会社などでお客様や上司・部下のことをいくら悪く言っても問題の解決にはならない。むしろ相手の耳に届いたら損害となることもある。ところで、中小零細企業の経営者で「ウチの社員は優秀なものはひとりもいない」などと言う人もいます。確かに苦労して事業を軌道に乗せた創業者に比べれば、大抵の社員は頼りない劣る存在です。また、社長より優秀な社員は将来独立したり、より優秀な経営者のいる他所の会社へ移動して残っていません。だから自分と比較しても意味ないのです。それより同業者や地域の一般的な会社の社員と比較することです。そうすると何か良い面も見えてくるハズです。人は良い面を褒められるとやる気が増したり、さらに良い面を磨こうと努力するものです。逆に悪い面を指摘されてやる気が増すことはありません。本人が分かっていて出来ないことならなおさらです。指摘された箇所だけしか対処しません。ところで、他者の良い点の見付けて褒めることは多くの人がトレーニングされていません。しかし、営業の経験者は当たり前に出来るようになります。彼らは、良い面の事実を2~3割膨らませることなど朝飯前です。そして、人間関係・信頼を築いた後、説得(交渉)を試みるのです。
 最後に「自分」と「他者」の両面から考えてみましょう。
「自分」はプラス優位で「他者」はマイナス評価の組み合わせは最悪です。自分に甘く他人に厳しくです。 相手を認めようとしません。嫌われます。
「自分」マイナス優位-「他者」プラス評価。自分に厳しく他人には優しいタイプ。ただし、相手の言い なりになる乞食営業タイプにならないように注意しましょう。
「自分」マイナス優位-「他者」マイナス評価。自分にも他人にも厳しくです。職人・徒弟制など
「自分」プラス優位-「他者」プラス評価。夢を語り、皆で実現しよう。ただし、リスク対策を忘れずに。
「自分」偏り無し-「他者」プラス評価。これが理想か?

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