日高税務会計事務所

イメージ・価値を言葉で伝えよう!

17.08.16 | 所長メルマガ

頭の中にあるイメージや思いを他人に伝えることは簡単でない。自社の商品の価値を正しく伝えるのも同様です。そのために言葉や図が必要となる。小売店では売りたい商品にはPOPを付けて消費者の注目を集めさせようとする。もしも相手に伝わらなければ、相手にとって、そのイメージや思い・価値は存在しないに等しい。だから、意識して伝える必要がある。

目で見える図で伝えることは、より正確に理解されやすいが多少手間が掛かる。従って、言葉で伝えることが一般である。ところで同じ日本語を使っていても、言葉の定義は人によってかなり異なる場合もある。だから、学術用語などでは対象が限定される専門用語が使われる。逆に、聞く人に都合の良いように解釈できるように具体的に言わず抽象的な言葉を用いる場合もある。いずれにしても、話す側が意図した内容が大体伝われば成功である。もっとも、相手の理解のレベルも大変重要であるから、相手に応じた言葉を選ぶ必要がある。とにかく出来るだけ伝わるように伝えることです。
 言葉にすること(言語化)は、得意な人とそうでない人がいます。これはトレーニングで上達できます。簡単は方法は、紙に書き出すことです。まずテーマを決めます。例えば、有る商品の特徴とか、自社(課・店)の強みとか。出来るだけたくさん言葉化することです。視点を変える、抽象度を変えるなど頭を柔軟にすると多く出せます。記入するには適当な大きさのポストイット(付箋紙)を使うのが便利です。移動できるので分類・整理が楽です。考えながら紙に書くのが苦手ならば、ボイスメモ(ICレコーダー)などに思いついたことを吹き込み後で文字にします。手書きがイヤならば、パソコンでも構いません。色々試してみて下さい。例えばXMind(マインドマップ作成用のフリーソフト:余談ですが、設定(構造)を変えると会社の組織図が簡単に作成出来ます。エクセルと違い、人の配置の移動・変更がマウスで簡単に行えます。便利ですよ。)など。最初は紙に書くことをお勧めします。
ところで経営者ならば、「会社が何のために存在していますか(存在意義)」などを言語化するのも良いと思います。それをまとめれば経営理念等となります。
 ところで、プロのアナウンサーが研修で自分の目の前の状況を実況中継することもあるそうです。言語化はその場になって一々考えていては遅いのです。一流のビジネスマンならエスカレーター(エレベータ)移動のような短時間にプレゼン(提案・商談)が出来ると言います。頭の中にあるイメージをすぐに言葉に出来ることは、結果として決断や行動が早くなり経営能力が高まります。だから、言語化のトレーニングは有効です。「流れ星が見えたときに願いを言えた人だけが願いを叶えられる」と言いますが、これは常に願望を意識しているか、言語化能力が高い、あるいはその両方だと思います。
 ただし、大事なことは相手に伝わったとしても行動が変わるレベルにはなかなか成りません。会社の経営理念・哲学などがそうです。事あるごとに繰り返し伝えるとともに、考え方や意味を分かりやすい事例を交え丁寧に伝え続けることです。数ヶ月・あるいは数年かかることもあります。結果が出ないからと言ってすぐに止めないことです。挨拶・整理整頓などと同様です。諦めたならばおしまいです。
 また、伝えてもどうしても理解されない場合があります。相手が同じ組織内で重要な事項であれば問題です。場合によっては辞めていただくこともあるでしょう。しかし、そうで無ければ、「世の中には色々な違った考えの人もいる」と割り切って接すれば良いと思います。

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