『3:4:3のルール』(経営の成績は一番の有無次第です。)

14.05.01 | ビジネス【経営】

ヒット商品・サービスは、その機能や品質が、対象とする顧客の ニーズにぴったりとはまった時に生まれます。カメラで対象物を 撮影する時のイメージがわかりやすいでしょう。


我々中小企業は、多くの対象を上手に撮ろうとするのではなく、 ピンポイントに対象を絞り込んで、それのみにピントを合わせて 撮影する心構えが必要です。

■マーケットを決めてください。

○『力相応一番』(船井総研の創業者、船井幸雄先生)、 この概念は大変わかりやすいはずです。自社が勝てそうなマーケット を選んで、その中で勝負しなさいとする教えです。大きなマーケット にこしたことはありませんが、対象が大きいほど競争相手の数も 増えます。


○マーケットを絞って限定することが重要です。

1.対象を絞る対象特化型、対象顧客内での一番化。

 2.エリアを絞るエリア特化型、地域一番化。 これらが選択肢に挙げられます。『ニッチの一番化』です。


○中途半端な絞り込み戦略はうまくいきません。 どんなに小さな対象やエリアに対してでも、圧倒的な一番にならねばなりません。
『一番と二番の差は、二番と百番の差より大きい』、これも船井先生のお言葉です。


◆絞り切ったマーケットを狙って集中砲火を浴びせる、 これが中小企業のマーケティングです。


■『ニッチの一番』にふさわしい商品・サービスを開発して作り込んで ください。


○対象顧客のニーズ以外を捨て切ることが重要です。様々なニーズを 拾いあげてしまいがちです。対象顧客のニーズは徹底的に拾うが、それ以外のニーズは捨てる、この覚悟で商品・サービスを開発してください。


○商品やサービス開発においても、目指す対象顧客の明確化ができていないと、『ニッチの一番』になれる商品・サービスは開発できません。


○さらに、自社の商品・サービスを毎日作り込んでください。 昨日よりは今日、今日よりは明日…ほんの少しでも改善・改良を繰り返し ましょう。時間の経過とともに、とんでもないレベルに進化・発展します。 この日々の改善・改良の積み重ねを作り込みと呼びます。


◆対象顧客のニーズに限定した商品・サービスを開発する、 これが中小企業の商品戦略です。


■3:4:3のルールがあります。(2:4:4とも言われています。)


○好不況にかかわらず隆々と経営を続ける上位30%の企業、 好況時にはうまくいくが、不況時には厳しくなる40%の中間層、常にぎりぎりのラインで生きる30%の下位の企業、このルールです。


○常に隆々と経営を続ける上位の30%は、明確な一番商品・サービスを持っています。対象マーケットを絞り込んだ一番商品・サービスを持ち、日々作り込みを行っている会社です。


○下位の30%の企業に一番商品はありません。力不相応の大きな マーケットを対象に、勝てないケンカをエンドレスに続けているようです。


■経営の成績は一番の有無次第です。 ○価格主導権は一番商品・サービスに付帯します。 一番商品を保有する企業は、利益を出せる値決めができます。儲かります。二番以下は、低価格で勝負するしかありません。利益は薄くなります。


○注目は一番商品に集まります。 一番商品には注目が集まります。勝手に売れます。二番以下は、広告・宣伝費用がかさみます。利益は薄くなります。 富士山の次に標高の高い山?知っている人は少ないはずです。 この差をイメージしてください。


経営不振の大きな要因は、力不相応な大きすぎるマーケットを攻め続けていることです。今の実力では到底勝てない対象と戦い続けて いるのです。いかがでしょうか? 勝てるマーケットを探しましょう。そのマーケットが小さすぎると思うぐらいまで対象を絞ってください。勝ちながら対象マーケットを少しずつ広げていけばよいのです。


繰り返しますが、我々中小企業は、多くの対象を上手に撮ろうと するのではなく、ピンポイントに対象を絞り込んで、それのみに ピントを合わせて撮影する心構えが必要です。

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